中央自動車道の圧倒的功績! 首都圏~中京圏の大動脈が生み出した「雇用8万人」「生産変化額26兆円」という経済効果とは
老朽化と安全対策、急務のリニューアル
これまで、多くの人々の交通や生活を支えてきた中央道。1967(昭和42)年の初区間開通から2021年度末までの累計で、約38億台の車が利用してきた。しかし、2016年度から年間利用台数は年々減少傾向にある。ピーク時には、1日あたりの平均利用台数が約25万台を超えていたが、2020年度にはコロナ禍の影響もあり、 「約20万台」 まで減少した。 この減少の最大の理由は、圏央道や中部横断自動車道、東海環状自動車道などの他路線の開通によって、中央道と並走する東名や新東名高速道路と直接つながったことにより、中央道を利用していた人々が東名や新東名に流れたためだと考えられる。 今後も交通量の増加は見込まれない厳しい状況だが、高速道路ネットワークが発達した今だからこそ、他路線との相互関係を強化することで、中央道の存在意義がさらに高まるのではないか。実際、中央道を走行していると、神奈川県や静岡県など東名沿道のナンバープレートを見かける機会が増え、中央道が沿道以外の地域の人々にも利用されていることに期待と希望を感じている。 また、老朽化の問題も無視できない。中央道は全線開通から40年以上が経過し、道路や施設の老朽化が進んでいる。特に、2012(平成24)年12月には山梨県の笹子トンネル上り線で天井崩落事故が発生し、大きな衝撃を与えた。 今後、このような事故が起きないように、私たちが安全に高速道路を利用できるように、全国の高速道路でリニューアルプロジェクトが進められている。中央道でも、2018年からリニューアル工事が実施され、各区間で道路の補修や改善が行われている。2024年11月現在も、以下の区間でリニューアル工事が行われている。 ・韮崎IC~須玉IC 上下線 ・諏訪IC~岡谷JCT 下り線 ・松川IC~中津川IC 上下線 ・小牧東IC~土岐JCT 上り線 工事期間中は車線規制による渋滞が発生することもあるが、今後も安心して高速道路を利用するために必要な工事であることを理解しながら利用していきたい。
都野塚也(ドライブライター)