坂本真綾がふりかえる『レ・ミゼラブル』でぶつかった壁を乗り越えるまで「子育てとの両立はもう必死です」
大きな壁は、20年後を想像して乗り切る!
――子育てと仕事の両立は、いかがですか? 坂本 もう、必死です。「早めに寝かせて、明日の準備をしよう」と思っても、そういう日に限って子どもは寝ないし、自分も寝落ちする日々。それで深夜3時に起きて「台本が見つからない」と探し始めたり……。子どもが生まれてから2年くらい試行錯誤を続けているんですけど、睡眠時間を削るしか方法がわからないですね。 「お子さんがいる先輩方は、この中で仕事を続けているんだな」と尊敬の念を抱いています。「皆さんが乗り越えてきたんだから、きっと自分も大丈夫」って鼓舞するしかないですね。大変だなと思う時期も振り返ったら一瞬なので、話のネタにできるくらい大変さを味わっておこうと思っています。 ――表舞台で活躍していると、子どもの風邪をもらうだけでも一大事だと思いますが、読者にもおすすめできる風邪予防策はありますか? 坂本 特に何もしていないんですよ。最初のうちは、言葉を覚える時期にマスクをしているのは良くないかも、と子どもが風邪をひいても家の中ではマスクを外していたんですけど、お子さんがいる声優さんに聞いたら、「家の中でも、マスクを外しちゃ駄目だよ!」って教えてもらって。それからは、風邪を引いたなと思ったら、私もマスクをするようになりました。 「2歳になったら子どもの体調が落ち着くよ」と皆さんからアドバイスをいただいていて、実際、子どもが2歳になったらちょっと落ち着きましたけど、一昨日から鼻水が出ているんですよね。もう「風邪よ、来るな、来るな!」と思いながら生活しています。ひたすら戦いです。 ――最後に、仕事を長く続ける中で大きな壁にぶつかった時に、坂本さんが乗り越える方法を教えてください。 坂本 ミュージカル『レ・ミゼラブル』でエポニーヌ役を演じた時は、「公演が終わったら辞めようと思った」とエッセイで書くほど悩んでいたのですが、今考えると「何がそんなに辛かったのかな」って思うんです。確かに大変だったけど、それは当時の自分の視野の狭さや、生きてきた年月と経験値の少なさ故に追い込まれていたから。今はこれだけ長く生きているから、「もうちょっと楽しめたな」と思いますけど、その時だからこそできた表現もあるし、どうこう考えても仕方がないですね。 人間ですから、いつもフラットではいられません。けれど、そういう経験をしたことで、今の私が大きな壁にぶつかった時も、きっと20年も経てば何がそんなに辛かったんだろうって思える日が来るだろうなってわかるんです。だから「今はちょっときついけど、死ぬときに思い出したら大したことないぞ!」という気持ちで、何でも乗り越えていこうと思っています。 『下の階には澪がいる』 2024年7月3日(水)より フジテレビ「B8station」にて毎週水曜25時25分~放送 2024年7月9日(火)より BSフジにて毎週火曜24時30分~放送 ※放送時間は変更の可能性がございます。 その他、各種配信サービスでも配信予定。 坂本真綾(さかもと・まあや) 3月31日生まれ、東京都出身。8歳の頃からグループこまどりに所属し、子役として活動。1996年、16歳の時にアニメ『天空のエスカフローネ』の神崎ひとみ役に抜擢され一躍話題に。同年、同作品のオープニングテーマでもあるシングル『約束はいらない』で歌手デビュー。以降、声優や俳優のほか、エッセイ執筆や歌手など多方面で活躍を続けている。 衣装クレジット トップス 35,200円、スカート 63,800円/TARO HORIUCHI バングル 55,000円、イヤーカフ 8.800円/RACKETS 【問い合わせ先】 TARO HORIUCHI Inc contact@a-tconcepts.com RACKETS http://fabliau.jp/
ゆきどっぐ