坂本真綾がふりかえる『レ・ミゼラブル』でぶつかった壁を乗り越えるまで「子育てとの両立はもう必死です」
フジテレビで7月3日(水)から放送が始まった深夜アニメ『下の階には澪がいる』。原作は韓国のwebtoon『イドゥナ』。中国でアニメ制作され、6000万回再生された話題の作品です。 【画像】坂本真綾さん。 ヒロインの如月澪役の吹き替えを担当した声優の坂本真綾さんに、作品の魅力やアフレコ収録で感じた異国の文化、子育てと仕事の両立についてお話を伺いました。
子どもと大人の狭間にある特別な季節
――アニメ『下の階には澪がいる』は、主人公の杉浦陽と女の子3人の恋模様を描いています。韓国だけでなく中国でも話題となった作品ですが、どういう魅力があるのでしょうか。 坂本 最初は、かわいい女の子たちから男の子がモテる話だと思ったんですが、最終回を演じてエンディングを観ていたら、不思議な気持ちになったんです。なんだか、爽快感があって。子どもと大人の狭間にいる彼らの青春ドラマに、眩しさを感じたのかもしれません。一人ひとりのキャラクターと全く同じ経験をしていなくても、「自分にもこういう感覚があったな」って、甘酸っぱい気持ちを思い出させてくれました。 大人になると「矛盾がないように」という責任感に縛られて、正しいことばかりを選びがちになりますよね。でも人間だから、上の句と下の句が合わないことだってあるはず。この作品は理屈じゃなく気持ちだけで行動する場面がたくさんあって、その度に、「うらやましいな」と思いました。「こういう型にはめない生き方ができたら、どうするかな」と自分を振り返り、改めて「本当の自分はどうしたいか」を問いかける魅力があると思います。
作品から感じた異国の文化「お酒をよく飲む」
――海外作品の吹き替えでは、収録前に外国の音源のまま映像を確認するVチェックをするそうですね。今作ではどのような点に注意しましたか? 坂本 国ごとに感情表現の仕方が違うんですよね。例えば韓国は感情表現がわりと激しくて、怒る時は大声で怒る場面が多い気がします。実写ドラマの吹き替えでは俳優さんの表情に合わせて演じる必要がありますけど、今回のようにアニメだと二次元なので、日本人の感覚に合うように表現の調整がしやすいところがあります。怒りでも悲しみでも、なるべく日本人の視聴者が見たときに違和感がないようになだらかにしていったりしますね。