子どもが「将来が安泰だから」と、会社員から「公務員」への転職を目指しています。今は公務員も大変だと思うのですが、やはり「給与」や「待遇面」は良いのでしょうか?
一般企業に勤める会社員と省庁や自治体で働く公務員は、それぞれ社会を支えるために日々働いています。一般企業の会社員と公務員で、年収や残業時間などの待遇にどのくらい違いがあるのでしょうか? 人事院などの調査結果から、それぞれの平均的な待遇を見てみましょう。 ▼「公務員は安定している」って本当? 定年退職の割合や退職金の平均額を教えて!
会社員と公務員、平均年収はいくら?
まずは、会社員と公務員の平均年収はいくらなのでしょうか? 国税庁「令和4年分民間給与実態統計調査結果」によると、民間企業で1年を通じて働いた給与所得者の1人当たり平均給与は正社員523万円(男女別では男性584万円・女性407万円)でした。公務員では、国家公務員と地方公務員で平均給与額がことなります。 令和5年に人事院が公開した「令和5年国家公務員給与等実態調査の結果」によると国家公務員59.0万人での平均給与月額は41万2747円(年額約495万円)で、その内訳は俸給(基本給)33万4218円、地域手当等4万3290円、その他の手当等の合計約3万5239円でした。 国家公務員のボーナスは、令和4年度は期末手当(2.4月分)と勤勉手当(2.0月分)を合わせて年間4.4月分が年2回に分けて支給されています。 総務省「令和4年地方公務員給与実態調査結果」によると、令和4年4月1日現在で地方公務員の総数は280万5764人、一般職の全職種での平均給与月額は41万3202円(諸手当8万7211円を含む)です。 地方公務員のボーナスは自治体ごとに違い、例えば、東京都での一般職は令和5年度期末手当(2.40月分)と勤勉手当(2.15月分)を合わせて年間4.55月分が年2回に分けて支給されています。
退職金の平均額はいくら?
人事院が令和4年に公表した調査結果によると、退職一時金と企業年金(使用者拠出分)を合わせた退職給付額での比較では民間2405万5000円、 公務員2407万円で、公務員のほうが少し多い結果でした。
非正規雇用だと、民間と公務員では給与はどのくらい違う?
国税庁の調査によると、民間企業で1年を通じて働いた給与所得者の非正規雇用者の年収は201万円(男女別では男性270万円・女性166万円)でした。 公務員での非正規雇用は「会計年度任用職員」です。任期の定めのある非常勤地方公務員で一般事務職や給食調理員などさまざまな職種があり、自治体によって働ける時間と給与額がことなります。 例えば、神奈川県藤沢市の令和5年度一般事務員募集では 週4日勤務・午前8時30分から午後6時15分の間の7時間45分(休憩60分あり)での給与額は月額15万8832円です。 令和5年に総務省から各自治体へ、会計年度任用職員の給与などが民間よりも低くならないように調整すること・令和6年度からは対象となる会計年度任用職員に勤勉手当を支給すべきことなどが通知されたので、給与面などの改善が見込まれます。