ドライバー“二刀流”のすすめ 一周回って考えるスコアの整え方/ギアを愉しむ。
スコアが整う43.5と45インチ台の使い分け
最大飛距離を追い求めた現代ドライバーとは、90年代初めまでには存在しなかった“ディスタンス系”のユーティリティクラブと言い換えられる。ここ一番で飛ばしたいときには重宝するが、飛距離が出せる分、思った方向には飛ばないリスクもはらんでいる。これは道具云々ということではなく、飛ぶことの宿命ともいえる。 現在、1Wの飛距離300yd前半が当たり前となったPGAツアーでは、3Wがティショットギアとなりつつあり、この長さがだいたい43.5インチ。そう、80年代の1Wと同じ長さ。彼らは大きな飛びが必要ではないホール、曲げたくないホールでは、43.5インチでフェアウェイに運んでいく。
我々アマチュアも、30年前の標準的な長さ43.5インチをメインに、1Wを考え直してみてはどうだろうか。45インチ台が標準となっている今、43.5インチは“短尺”と感じるかもしれないが、45インチのほうが“長尺”で、他のクラブからすれば異端。3Wでティショットをすることが不安に感じるなら、一層のこと3Wをバッグから抜き、ヘッド体積400cc前後でロフト角11度以上ある過去モデルのヘッドを、43.5インチで使ってみてほしい。ロフト選びさえ間違えなければ、きっと大きな武器になるはずだ。 通常のホールでは“標準”の長さ43.5インチで打ち、ここ一番で飛ばしたいホールでは多少のリスクを承知のうえで、最新の“ディスタンス系”ユーティリティ1Wを握る。高慣性モーメントヘッド全盛の今、それくらいの感覚が一周回って必要なのではないだろうか。(高梨祥明)