PR会社のブログ「全く事実でない部分があり、盛っている」 SNS運用巡る投稿、斎藤知事の代理人が会見
兵庫県知事選で、西宮市のPR会社が再選した斎藤元彦知事の「広報全般を任された」とするブログ内容が、公職選挙法違反などの可能性があると指摘されている問題で、斎藤知事の代理人弁護士が27日、神戸市内で会見し「記事は事実と全く事実でない部分があり、盛っている」と内容を否定。同社社長は選挙期間中、公式応援アカウントの取得や動画撮影などを手がけていたが「企業ではなく、個人のボランティアとして手伝ってもらったという認識で、報酬支払いの事実も約束もない」として違法性はないとの見解を示した。 【図解】代理人会見の要旨 同社の女性社長は投稿プラットフォーム「note」に20日付で、「#(ハッシュタグ)さいとう元知事がんばれ」を考案し、斎藤陣営の四つの公式交流サイト(SNS)を「監修者」として「運用」していたと記載。公選法は、SNS運用を含めて選挙運動を主体的・裁量的に立案した業者への報酬の支払いを禁じており、運動員買収に当たる疑いが指摘されていた。 斎藤知事の代理人の奥見司弁護士は会見で、知事が出直し選に臨むに当たり、失職直前の9月29日にPR会社を訪ねたと説明。社長らからポスター案やSNS戦略などの提案を受けた後、口頭契約でポスター制作など五つの名目の業務を依頼し、11月4日に計約70万円を支払ったとした。奥見弁護士は「いずれも法で対価を支払うことが認められており、買収には当たらない」と正当性を強調した。 その上で、社長が選挙期間中、公式応援アカウントの取得や記載事項のチェック、街頭演説会場での動画撮影などを担当していたと明かしたが「頼んだものでもなく、依頼した認識もない。あくまで社長個人のボランティアだと認識している」と主張。政治資金規正法で禁じられた「無償労働の提供」という寄付行為にも当たらないとした。 また、社長は県の有識者会議の委員を複数務めており、選挙に対する寄付行為が禁止される立場ではないかと問われると、奥見弁護士は「委員は請負契約ではなく、委任契約。県から3年間で約15万円が支払われているが、金額が小さく、公選法違反には該当しない」と語った。 一方、PR会社や社長に一連の活動がボランティアか仕事かの認識を確認したことはないとし、奥見弁護士は「会社側と陣営の主張にそごはあると思う。認識違いの理由は、PR会社に聞いてほしい」と述べた。 神戸新聞社はPR会社に取材を申し入れているが、回答が得られていない。 斎藤知事も県庁での会見で違法性がないという認識を示したが、奥見弁護士の会見には同席しなかった。