病院に繰り出し金2億1千万円 和歌山県串本町、コロナ補助金減で赤字に
和歌山県串本町は病院事業会計への繰り出し金2億1千万円を盛り込んだ一般会計補正予算案を9日開会の町議会9月定例会に提出する。新型コロナ関連の補助金がなくなり、町立病院の経営は3年ぶりの「赤字」。本年度もこのまま推移すれば資金不足の恐れがあると判断した。 【本州最南端は猛暑日知らず 今夏ゼロ、110年で2日、和歌山県串本町潮岬の記事はこちら】 くしもと町立病院は110床で、内科や外科、婦人科、小児科など8診療科がある。 病院会計の2023年度の決算は累積欠損金約1億6600万円で赤字の見込み。22年度はコロナ関連の補助金を含め医業外収益が5億9800万円あったが、23年度は3億9500万円に減少した。 一方で、コロナが落ち着いても外来の受診控えは回復していない。病院事務室は「いったん受診しなくなると、病院に行こうという気にならないのかもしれない。病気の潜在的リスクが高まっている可能性があり、心配な状況」という。 病院経営の改善に向け「不採算の診療科もあるが、地域医療最後のとりでであり、なくすわけにはいかない。通常診療の充実はもちろん、こちらから出向く在宅医療の強化などニーズに合わせた努力をし、収支改善に努めたい」と話している。
紀伊民報