アサド政権崩壊後の復興には「日本の技術支援も必要」シリア新政権の“キーマン”バハラ議長「銃による支配を終え、民主主義のルールに基づく未来へ」
内戦が続くシリアで反政府勢力が2024年12月8日、首都ダマスカスを制圧し、アサド政権が崩壊した。シリアでは複数の武装勢力が存在しているほか、イスラム教徒、キリスト教徒など様々な宗教や宗派があることから、国民全員が一致した方向に向かっていけるのか先行きは見通せていない。 【画像】シリア新政権の“キーマン”バハラ議長。「初めておばあちゃんに会いに行く」祖国・シリアの地を初めて踏む子供。 そうしたなか、多くの国際社会から認められている反政府勢力の政治組織「シリア国民連合」のハディ・バハラ議長が、トルコ・イスタンブールでFNNのインタビューに応じ、シリアの復興、新政権のあるべき姿などについて語った。
「アサドの人道的犯罪からの復興には20年はかかる」
反政府勢力が大規模攻勢をかけてから、わずか12日目にして親子2代で50年以上にわたった独裁は幕を閉じた。トルコなどから多くの難民が「これからは自由になる」と期待感を持ってシリアに帰還。しかし50年以上に渡り強権で支配してきた弊害、内戦の爪痕、経済危機など課題は山積している。 こうした課題について、反政府勢力の政治組織「シリア国民連合」のハディ・バハラ議長は、「回復するまで20年はかかる」と話す。 「アサドは5万人以上の人々を拷問で殺すという最も恐ろしい人道的犯罪をした。そしてシリアの人口の半分を強制的に家から追い出し、国内外の難民にした。人口の半分だ。彼が引き起こした損害は大きく、そこから回復するまで20年はかかるだろう。 シリア国民は銃による支配を強要するアサドという独裁政権に反旗を翻したのだから、我々は銃口で未来を管理するつもりはない。平和と対話、そして民主主義の基本的なルールに基づいて未来を築くべきなのだ」 「シリアの人々の願望、そして私たちが必要としていること、人道的ニーズを満たすために多くの経済援助が必要になる」 バハラ議長はシリアが民主主義国家を目指すべきとして、今後の政権樹立に向けて各組織と調整したいと話す。
宗教も宗派もない包括的な政権を樹立し、2年後には選挙を実施
新政権についてバハラ議長は、「非宗教的な基盤に基づくことが必要」だと訴える。そして、シリア国民全員が参加する自由選挙を2年後に実施することを目指すと明言した。 「新政権はシリア国民のあらゆる構成要素を包含するものでなければならないし、非宗教的な基盤に基づくことが必要である。一部の人を政治プロセスから排除するべきではない。 暫定政権が新憲法起草委員会の設立と、シリアにおける安全で中立的な環境の実現をする。そして2年後に新憲法に関する国民投票を実施し、その後に大統領選挙か首相選挙を実施することになる」
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