乾貴士(J2清水)36歳が語るプレースタイルの変化「サイドは絶対できない。ドリブラーでもない。乳酸が溜まりすぎて...」
【三笘薫や伊東純也が生粋のドリブラー】 ── 6月に36歳になったんですよね? 「もう、36ですよ」 ── そうは見えないですが。 「見た目はね。見た目だけは若くしているんで(笑)」 ── いわゆるベテランという年齢になって、プレースタイルやサッカーに向き合う姿勢など、若い頃と比べて変わってきたところはありますか。 「どうだろう? でも、できないことは増えてきましたよ。もう、サイドは絶対できないです。できないというか、やりたくない。上下動もそうだし、キレもないから。やっぱり、サイドの選手って、三笘(薫)くんみたいなドリブルが求められるんすよ。推進力のある選手がやるべきところで、僕の場合はそれがなくなったんで、ちょっと難しいですね」 ── それは体力的な部分? 「体力もそうだし、身体のキレもそう。やっぱりサイドの選手って、深い位置まで守備に戻らなきゃいかないし、そこから前に出ていかないといけない。でも、今は前には出ていけたとしても、そこでボールを受けた時にはもう乳酸が溜まりすぎて、何も考えられないんですよ。 そうなると、一番ラクな選択をしてしまうんですね。簡単に味方に預けたりとか。でもそれだと、サイドの選手はダメなんですよ。そのまま縦に持ち運ぶとか、ワンツーで抜け出すとか。そういうアイデアが出てこない以上は、もうサイドではできないですね」 ── 乾選手といえば「ドリブラー」というイメージが強いですが。 「いや、もともと僕はドリブラーではないんですよ。僕の定義だとドリブラーは、最終ラインを突破できる選手なんですよね。三笘くんとか、伊東純也とか、ああいう選手がドリブラーであって、僕の場合はそのひとつ前の局面を抜いていくタイプなので、ドリブラーとはちょっと違うんすよね」 ── その定義に当てはめると、エスパルスにもドリブラーが台頭していますよね。 「西原源樹ね。あれは『エスパルスの宝』ですよ。高校3年生でデビューして、相手を抜きまくって、点まで獲っていますから。実力だけじゃなく、性格もいいので、将来が楽しみですよ」 ── 野洲高時代の乾選手よりも上? 「断然、源樹ですよ。あいつのほうが余裕で上です」