空気は読むな。初対面メンバーのプロジェクトで読むべきは、「動き」「人」
映画シン・ゴジラやシン・ウルトラマンでは、初対面のメンバーによる臨時チームが大活躍しました。そこまででなくとも、社内のクロス・ファンクショナルつまり組織横断の寄せ集めメンバーや、複数社が集まったプロジェクトなど、これに似た局面はしばしば見られます。 筆者はこのような、ほぼ初対面メンバーの緊急チームの経験はいくつもあります。先日、筆者がとりまとめ役を務めたプロジェクト・チームで、MVP的な活躍をしていただいたシニアなメンバーから「本荘さんのメールがなかったら、途中で辞めていたかもしれない」との言葉を聞きました。プロジェクトのトップからも、「本荘さんの、あの短いメールがよかった」との言葉。これは一体どういうことでしょうか? ■非定型なプロジェクトでのチームワーク このプロジェクトはほぼ初対面メンバーの緊急チームであり、かつ目的は明らかですがどんなアウトプットになるか見えない、予測が難しいものでした。「私自身今回のような役回りは初めてでしたし、走りながら方針も変わっていったところがあると思います」と言うそのメンバーも、いくら超優秀といっても人間です。そう、心理的には落ち着きません。 その方から、「有り難かった」といくつかプロジェクト後にお話しいただきました: 1) 正解がなく方向性も定まっていない状況で、すぐにお考えを共有頂けたことで、自分の中で考える道筋がつけられた 2) いつも気にかけて頂き、他からコメントが来たときに、素早くメールでコメントやご指示をいただけた 3) 何をどこまで粘るか、誰と調整したら良いのか、迷うことが多かったのですが、さっと助け船を出して頂けて、自分の頭の整理にもなりました 4) 時折の塩対応に感情的にかちんと来ることもあったのですが、頭の中でぐるぐる考えているときに、先生からも同様の感想をいただき共感頂けて、救われました つまり、初期のあいまいな段階で考えをぶつけ合って道筋をつくる、それに対する意見の受け取り方の話し相手になる、迷いそうな点にスグ意見を出す、感情的になるような点に共感を示す、といった、後から見れば当たり前のコミュニケーションを実行しただけです。 すると、このメンバーからは、「一人で悩みを抱え込んで深みにはまらずにすんで、助かりました。」や「自分が間違っていないことが確認できて、安心材料になりました。」という感謝の言葉をいただきました。