マカオ税関が中国ボーダー近くの工業ビル内に開設された運び屋向け密輸品供給拠点摘発…冷凍豚もつ730kg発見
澳門海關(マカオ税関)は10月9日、同月8日夜にマカオ半島北部・關閘エリアにある工業ビル内に開設された違法な運搬活動(いわゆる運び屋行為)従事者向け商品供給拠点のテナント1つを摘発したと発表。 現場周辺は中国本土との主要な陸路の玄関口・關閘イミグレーション(通称:ボーダーゲート)に近く、以前から両地の間を往来する運び屋相手のビジネスを行う店舗や倉庫などが存在すると指摘され、当局が高頻度でパトロールや摘発を行っている場所のひとつ。
税関によれば、事前に寄せられた通報及び近日摘発した密輸事案の追跡調査を通じて運び屋向けの密輸品供給拠点の特定を進める中、8日午後にマカオ半島北部の工業ビルを対象としたパトロールを実施したところ、これにあたるテナント1つを発見したことから、即座に摘発を行ったとのこと。 摘発時、テナント内には責任者の女が1人がおり、中から輸出入に必要な書類のない冷凍肉類(豚もつ)約730キログラム、市価およそ3万6000パタカ(日本円換算:約67万円)相当が見つかったという。 当該テナントの責任者の女(34)はマカオ人で、税関ではこの女が運び屋を組織して中国本土への密輸出することにより正当な貿易活動の規制逃れを企図したとし、対外貿易法違反で起訴、発見した物品全量を押収するとともに、食材の保管状況(温度管理)が食品安全法に触れる可能性があるとみて市政署に通報したほか、営業許可証なしで運営していたことも判明し、財政局が調査を進めるとした。
アフターコロナでマカオと外地の往来が正常化した昨年の年初以来、マカオでは運び屋が絡む密輸事案がの摘発が頻発。昨年から直近にかけてマカオから中国本土への密輸出で摘発されたケースについては、冷凍肉類やロブスターといった食材と中古スマホやCPUといった電子製品が目立っている。 税関では、本件の発表に合わせ、市民に対して出入境における携行品の出入りに関する法令の遵守及び報酬を目当てに運び屋行為へ従事しないよう累次の呼びかけを行うとともに、今後も継続して水際における各種取り締まりを強化して臨む考えを示した。