パリの熱気つないで(10月3日)
聴覚障害者の国際スポーツ大会「デフリンピック」の国内初開催まで1年余り。男女サッカー競技が行われるJヴィレッジでは、ボランティアの募集や手話通訳者養成などの準備が着々と進む▼デフリンピックは、英語で「耳が聞こえない」との意味の「デフ(Deaf)」とオリンピックを合わせた造語。1924年にパリで始まった。24年後に第1回が開かれたパラリンピックは、戦争で障害を負った兵士のリハビリが目的だったため、聴覚障害者の競技種目は含まれていない。耳の不自由なアスリートにとって、まさにひのき舞台となる▼福島市の女子選手は、サッカー女子日本代表入りを目指して練習を重ねる。ハンディはあってもスポーツを楽しめる―。国内開催は、多くの人たちにそう伝える絶好の機会になると考えている。「憧れてもらえる選手になりたい」と目標を語る▼先月閉幕したパラリンピックでは、県勢のメダルラッシュに県民が湧いたばかり。「パラの盛り上がりは追い風になる」と、関係者は歓迎する。初開催から100年を迎え今から、来年11月の開幕を指折り数えて待つとしよう。1世紀にわたるアスリートの熱気と鼓動を感じつつ。<2024・10・3>