「就活生へ。『自分史』作りは絶対するな」…キャリアコンサルタントからの衝撃アドバイス【就活の技法】
はじめは「興味・関心」から動く
■「興味がある商品・サービスに関わっている会社」や「先輩が入社した会社」など、30社をリスト化 極論してしまうと、就活における自己分析とは「ES作成や面接対策でのネタ探し」でしかありません。 「自分史」で幼少期から大学生まで、どんな経験や出来事があってどんな感情を覚えたのか。「モチベーションチャート」でこれまでどんな困難があってどう克服してきたのか。遊びでも学業でも部活でも友達関係でも恋愛でも趣味の世界でも何でもいいからたくさん書いてみて、といったらどうでしょうか? 恐らく20個以上は出ると思います。 それくらい、私たちの「興味・関心」は簡単に移り変わります。特に1年間の就活では何回も「興味・関心」が変わっていきますし、それでいいのです。まだ志望する業界や企業が定まっていない就活のはじめから、自己分析を深く行う意味はありません。 また、自己分析は1回やったら終わり、にするものではありません。就活を進める中で、志望する業界や職種、企業の情報量が蓄積されていくと、企業選びの視点が自然とアップデートされていきます。就活における自己分析は「ES作成や面接対策でのネタ探し」なので、磨かれた企業選びの視点に対応すべく、頻度を高めて徐々に精度を上げていけばいいだけです。 「何となくこの会社は良さげかな?」 「そういえば先輩が入社したのって、この会社だっけ?」 「いつも使っているあの商品を作っているメーカー、この会社なのか?」 といったレベルでいいので、この時点ではリスト化した30社の企業に最低限「興味・関心」を持ってください。「興味・関心」のない業界や職種は就活の対象外となってしまいます。それでは生涯収入最大化の就活が難しくなります。 日本には、大多数の就活生が知らない、知ることのない優良企業が本当にたくさんあるので、そういった企業と出会える接点を、この時点でたくさん作っておきましょう。 森田 昇(もりた のぼる) キャリア開発・DX講師、ITベンチャー企業の外部人事部長 キャリアコンサルタント、中小企業診断士。一般社団法人リベラルコンサルティング協議会代表理事、日本能率協会マネジメントセンターパートナー・コンサルタント。 IT業界20年の経験と転職10回したつまずきを基に、キャリア開発・DXの研修講師として100社以上に研修を実施、再就職支援セミナーをハローワークで100回超開催。キャリアコンサルタントとして学生含めて約2,000人の転職と再就職・就活支援を行う。またITベンチャー企業の外部人事部長として新卒・中途採用に携わる。 著書に『売れる!スモールビジネスの成功戦略』(明日香出版社、2020年)、『年収300万円から脱出する「転職の技法」』『生涯収入を最大化する「就活の技法」』(どちらも日本能率協会マネジメントセンター)がある。