老々介護・ヤングケアラーの限界を超える前に 自分らしく生きる社会を目指す取り組みをプレゼン【アナたにプレゼン・テレビ派】
広島テレビのアナウンサーが、気になるテーマを自ら取材して、お伝えする『アナたにプレゼン』。馬場のぶえアナウンサーのテーマは「子育て」や「福祉」。最近よく耳にする「ケアラー」についてプレゼンします。 【動画】ケアラー実態把握調査 ケアラーに必要な支援は?
日本ケアラー連盟によると、ケアラーとは「介護」「看病」「療育」「世話」「気づかい」など家族や近親者、友人や知人などを無償でケアする人を言います。近年では「ヤングケアラー」という言葉をよく耳にしますが、本来大人が担う家事や介護などを日常的に18歳未満の子どもがしているケースが問題になっています。
広島県呉市では、ケアラーの支援に役立てるために「ケアラー実態把握調査」を行い、高齢者のケアをする354人、障害児や障害者のケアをする208人から回答を得ました。
高齢者の介護にあたるケアラーの年齢で最も多いのが、60歳から69歳で34.5%でした。全体的にみると、50歳から79歳が8割以上を占めています。また、80歳以上も全体の1割を占めていることから、高齢のケアラーによる老々介護が多い実態が分かりました。
また、高齢者のケアラーの介護年数をみると、5年以上10年未満が1番多く、さらに、障害者や障害児の介護年数は20年以上が1番多かったことが分かりました。そのケアが、ケアラーの生活や人生に大きく影響を与えていることがうかがえます。
さらに、ケアラーの健康への影響を聞くと、回答が多かったのは「疲れが取れない」「睡眠不足である」「気分が沈みがち」「体調を崩すことがある」「肉体的な疲労を感じる」といったものでした。色々と切実に悩んでいるケアラーが多く、中でも高齢者のケアラーは、自分の健康に不安を抱えながらケアをしている実態も見えてきました。
こうしたケアラーへの支援の必要性を強く訴えているのが、日本ケアラー連盟代表理事で、呉市在住の児玉真美さんです。児玉さんにも、心身に重い障害のある娘・海(うみ)さんがおり、寝たきりであることから、生活全般に介助が必要です。