網元の家(富山県氷見市)の構造を調査 金沢工業大生ら、測量し耐震性評価
富山県氷見市の定置網漁の歴史を伝える網元の家「濵元家」(氷見市泊)で、金沢工業大の学生らが1日、建物の構造を明らかにして耐震性を評価する調査を始めた。依頼した18代目の濵元陽一郎さん(52)は、調査結果を建物の利活用に向けた基礎資料としたい考えで「建物について正しく認識し、維持、活用するための手法を探りたい」としている。 濵元家は氷見で代々網元として漁業を営み、現在の建物は1910(明治43)年の大火後の大正初期に建てられた。歴代の当主が大漁旗を掲げた船が戻ってくるのを待った大広間や、漁師の食事に欠かせない味噌づくりのための蔵など、独特のしつらえが残る。 濵元さんは1月の能登半島地震で建物に被害が出たのをきっかけに、将来的な維持、活用について考えるようになり、高校時代の同級生で木造建築の構造に詳しい東京大大学院農学生命科学研究科の青木謙治教授に相談。青木教授の教え子である河原大金沢工業大建築学科講師と学生らが調査を担うことになった。
1日は正確な平面図を作るため、柱と柱の間の長さなどを計測。来年春にも調査を行い、これらのデータを基に耐震性を評価する。 濵元さんは1棟貸しのゲストハウスや、地域の人が訪れるカフェなどさまざまな活用法が考えられるとし、「将来にわたって建物を維持していくためにはどのような方法が良いか、まずは検討材料となるデータを積み上げていきたい」と話している。