フェムケアで「マカ」台頭、女性層の獲得進む
南米原産の機能性素材が身近な存在になっている。南米原産の持つイメージの良さに加え、安全性・有効性に関するエビデンスデータの蓄積が進み、利用分野が拡大。最近は、アグロフォレストリー、アップサイクルなどに関わる素材も多く、SDGsの観点からも関心が高まっている。活力系ハーブのマカは、体感の高さから男性ユーザーの支持を受け、健康食品の定番アイテムに。フェムケア商材への利用も進み、新たな市場形成につながっている。 ■注目スーパーフード素材が続々 南米原産の機能性素材は、伝承的薬効にエビデンスデータが備わり、一般食品、健康食品向けのほか、カフェやレストランなど、外食産業でも利用されるようになった。代表格のマカは、1990年代に国内で紹介され、体感の高さから活力系素材として定着。主な原料サプライヤーは、TOWA CORPORATION、ラティーナ、サンシントレーディング、光健、皇漢薬品研究所など。各社では、マカ粉末、マカエキス末をはじめ、有機マカ、発酵黒マカ、マカペースト、黒マカ、赤マカなどを取り扱う。 マカは飲料、サプリメントを中心に、健康食品の定番アイテムになっている。味覚糖が展開するグミサプリシリーズの「亜鉛&マカ」は、他商品に比べ男性ユーザーが多く、売れ筋商品だという。同社では、「マカを増量配合したグミサプリ『マカDX』も好評で、マカ関連商品の売上は前年比2ケタ増で推移する」という。 近年は、女性特有の悩みを解決するフェムケア商材としてマカの利用が拡大。美容、睡眠障害の改善など、原料サプライヤーなどによる機能性研究の積み重ねが実を結び、具体的な成果となって表れている。各社からは、「フェムケア商品向けに新規採用数が増えた」「マカは認知度が高く、展示会で女性向けのエビデンスを紹介すると反応が良い」など、市場の広がりに手応えを感じるコメントが多数聞かれた。 マカ以外にも南米地域には、キャッツクロー、ゼラニウムディエルシアナム、アサイー、アセロラ、カムカム、マキベリー、キヌア、チアシード、マテ茶、パフィア、サチャインチ、ガラナ、ムイラプアマ、パロアッスル、ピタヤ、アグアヘ、紫トウモロコシ、ウアナルポマチョ、タルウィ――など、個性豊かな機能性素材が多数ある。 これら南米原産の機能性素材が広く利用されるきっかけの1つとなったのが、2010年前後に米国で起きたスーパーフードの大ブーム。数年後に国内でも火が付き、アサイーやチアシードなどがブレイクした。その後、様々な南米発のスーパーフード素材が脚光を浴びるようになった。最近は、「アップサイクル」「未利用資源活用」「アグロフォレストリー」など、SDGsの観点からも注目度が上昇している。