民進党代表選2017(全文1)前原氏「政権交代の決意に『失笑』を変える」
格差を再生産する不平等な社会を変える
難波:代表選管委員の難波奨二でございます。今後は代表選管委員が交代で進行を担当させていただきます。よろしくお願いいたします。まず、代表候補者に選挙戦最後の決意表明を行っていただきます。では、前原誠司、枝野幸男の両候補者はご登壇いただき、ご着席ください。 それでは、これからお1人10分以内で決意表明をしていただきます。順番は届出順に前原誠司候補からお願いをいたします。それでは、前原候補、お願いいたします。 前原:皆さんこんにちは。 複数:こんにちは。 前原:ご紹介を賜りました、前原でございます。こうやって今日この場に立たせていただくに当たりまして、多くの国会議員の皆さん、総支部長の皆さん、自治体議員の皆さん、党員・サポーターの皆さん、そしてスタッフの皆さん、多くの方々のおかげでございます。まずはこの場をお借りして全ての皆さまに心から感謝申し上げます。ありがとうございます。また、この選挙を仕切っていただきました神本美恵子選挙管理委員長はじめ、選管の皆さま方にも心から感謝を申し上げます。ありがとうございました。また、この1年間、厳しい政局の中でわれわれのかじ取りをしていただいた蓮舫代表にも、心から感謝を申し上げます。ありがとうございました。 そして何よりも枝野さん、24年間ずっと同じ政党で過ごしてきた枝野さんと、まさか代表選挙を戦うとは思いませんでした。多くの時間をカラオケで過ごしてまいりましたけれども、今回、本当にいい議論ができました。枝野さん、ありがとうございました。 私は、大学時代いろんなアルバイトをいたしました。家庭教師、塾の講師は当たり前、24時間営業の喫茶店、夜の10時から朝の8時までのシフトに入ったこともありますし、また、観光地・京都で育ちましたので、京都市内から比叡山までの観光バスの添乗員もやりました。一番自給が高くて、しかしつらかったのは、中央市場の鮮魚部門でのアルバイトでした。真冬、真っ暗なまだ4時半、バイクで自宅を出ます。そして5時前に市場に着きます。市場はとっても寒いんです、暖房ついてませんから。5時15分から競りが始まり、そして競り落とされた魚を仲買、卸のお店に運びます。6時過ぎから魚屋さん、料理屋さんが魚を買いにき、その方々の車に魚を運ぶ。1コマ目から授業があるときには、そのままで大学に直行し、友人からは、おまえ魚臭いな、と言われることはよくありました。 アルバイト三昧の私でありましたけれども、しかし中学2年生から大学生までは授業料免除と奨学金のお世話になりました。奨学金の返済額はトータルで約100万円。28歳に京都府議会議員に当選してから30代半ばまで返済をいたしました。ところが、今はどうでしょう。大学生の約2人に1人が奨学金を受け取っていますけれども、返済額は驚くほど高くなりました。そして卒業後の借金が莫大なものになっています。親の仕送りも、だいたい学生1人に対して年間約120万円。親も子供も大変です。 私は、全ての子供が大学にいくべきだとは思いません。中学、高校、専門学校あるいは専修学校を出て、専門性を身に付けて立派にやっている方々もたくさんおられます。ただ、親の所得が400万円以下の子供の大学進学率は31.4%に対して、1000万円以上の家庭の子供は62.4%、倍であります。私は、親の所得によって子供の機会平等が変わる社会はおかしいと思います。しかも大学にいった子供のほうが生涯年収が高いんです。つまりは親の所得の多い少ないによって、子供まで生涯年収の多い少ないが変わる。つまりは、格差が再生産をされている、それが今の日本の姿では、皆さん、ありませんか。私はこんな不平等な社会は変えたいと思っている。ぜひ皆さん、われわれで全ての子供に平等な社会をつくろうではありませんか。