知事選2024 静岡の選択② 「地域対決」にかすむ「与野党対決」
霞む「与野党対決」
そして、全国的には、「与野党対決」として注目された静岡県知事選ですが、実態は大きく異なりました。 確かに野党側は、衆院3補選に続き岸田政権に打撃を与えようと鈴木陣営に大物を次々と送り込みました。 立憲民主党 泉健太代表: 「今、相手候補を取り巻く支援の態勢というのは、まさに自民党」 立憲民主党 野田佳彦元総理: 「自民党に鉄槌を下すためにも、静岡の皆さんに奮起していただきたい」 立憲民主党 小沢一郎衆院議員: 「本当の意味の与野党対決だということ」 一方、自民党は支持率が低迷しているうえに、静岡では、塩谷氏が裏金問題で離党、宮沢氏が女性問題で議員辞職するなど大逆風で選挙を迎えていました。 城内氏: 「何か世間では与野党対決とかいう、これはちょっと困るんですけれども」 大村陣営は党幹部の応援も、地元の上川大臣以外は断るなど、「自民党色」を薄めることに腐心します。 上川氏: 「愛する静岡市で生まれ育った大村さんと一緒に、静岡市の皆さんとともに」 野田元総理: 「今ね、自民党カラーを出すと候補者はマイナスになると思って、推薦をしてもらっている政党の名前出していないでしょう、ほとんど。(大村陣営の)作戦は何かというと、浜松出身か静岡出身かじゃないですか?」 野田元総理の言う自民党の戦略が功を奏したかどうかは別として、激しさを増す「地域対決」の前に、「与野党対決」の側面はどんどん霞んでいきました。
実態は「オール静岡」から離れて
浜松市民: 「なんか静岡市のほうが熱くなっているもんで、浜松も負けておれんと思って、浜松の代表ですからね、康友さんは。浜松だけでも(鈴木候補に)全員投票しないとねと思っている」 静岡市民: 「静岡市の人になってもらいたいと思います。自分は静岡市出身なので、そこは静岡市の人を応援したいなと思っています」 実態が、両候補の掲げる「オール静岡」から遠く離れていく中で、選挙戦は最終日を迎えます。 大村さんが最後の演説場所に選んだのは、地元・静岡市。市の中心部で行われたマイク納めには、多くの支援者が集まりました。 司会: 「皆さん、ここで急遽、難波静岡市長がお見えになりました。(歓声)」 予定になかった難波市長も登場、大村さんと勝利を誓い合いました。 大村氏: 「静岡は西部・中部・東部・伊豆、素晴らしい個性を持つ力のある地域があります。この静岡の各地域の力を結集して、力を合わせて前に進む時が来たんです。だからオール静岡なんです。何か特定の声とか大きな声に左右するのではなく、声なき声もしっかり受け止めて、そして県政をまっすぐに進めていく。このことが必要です。それが誰なのか。それを決めるのがこの選挙です。私が一番、皆さんの声を県政に生かせる候補なんです。どうでしょうか(そうだ)(拍手)」 鈴木さんのマイク納めも、出陣式と同じ、浜松市の中心部で行われました。大勢の浜松市民らが駆け付け、地元経済界や支援者からは、次々に「浜松から知事を」の声が上がりました。 源馬氏: 「浜松から初めての知事を誕生させましょう。皆さん。(拍手)」 そして、鈴木さんが「最後の訴え」に臨みました。 康友氏: 「立候補前の鈴木康友と今の鈴木康友の違いは何か。立候補前は浜松の鈴木康友であり、西部の鈴木康友でした。今は静岡県の鈴木康友へと脱皮をしようとしています。この西部も中部も東部も素晴らしい地域であります。静岡県というのは何て素晴らしいんだ、今回全県回って改めて思いました。必ずこれからの静岡県をもっともっと発展をさせ、そして県民幸福度日本一の県をつくってみせます。全身全霊、静岡県のために命を懸けて頑張ります。皆さんにお誓い申し上げます。どうぞよろしくお願いします。ありがとうございました。よろしくお願いします。(拍手)」