選手とファンの距離感は? プロスポーツのファンサービスはどうあるべきか
プロ野球はシーズンの全日程が終了し、これから各球団でファン感謝デーなどのイベントが行われます。シーズン中には、公共の場所での選手へのサイン自粛を呼びかける球団があるなど、ファンのマナー違反も問題になりました。またJ1リーグも22日にレギュラーシーズンが終了し、11月28日からチャンピオンシップが開幕します。 ファンあってこそのプロスポーツですが、一方でチームの勝利も大切です。プロスポーツチームはファンサービスについてどのように考えているのでしょうか。選手とファンの距離感はどうあるべきなのでしょうか。プロ野球とJリーグチームの取り組み事例からみます。
ファンと選手の距離を縮める
選手とファンの距離を縮め集客アップにつなげたのが、プロ野球・巨人の「GIIプロジェクト」です。4月には、2軍の試合が行なわれるジャイアンツ球場の最多観客動員数を9年ぶりに更新、チームもイースタンリーグで優勝しました。読売巨人軍ファンサービス部の佐々木航平さん「GIIプロジェクトはファンの方に親近感を持ってジャイアンツ球場に来て欲しいという思いから始めました」と話します。 「ジャイアンツ球場は、選手がクラブハウスからグラウンドに行くのにファンの方がいるスタンドの通路を通る造りになっています。こうした環境ですので、選手をより身近に感じて欲しいと思います。試合後にはサイン会やハイタッチ会などのイベントを行い、選手とファンの距離がより近くなるようなファンサービスを行いました」
安全なファンサービスをサポート
ジャイアンツ球場では2軍だけではなく、1軍の選手が練習を行うこともあり、主力選手がファンのサインに応じることもあります。こうしたサイン対応については特に規制はなく、あくまで選手の自主性に任せているといいます。 「私たちは選手のサポートに徹しています。長い時間サインに応じる選手もいますが、あくまで選手の自主性に任せています。ファンの方が大勢押し寄せてけがをしないように、安全面のサポートをするのが我々の役割だと思っています」(佐々木さん) また、選手のコンディションを守るのも重要です。「先発ピッチャーは登板日だったりすると、試合に集中するため、ファンの要望にこたえられない時もあります。そういった状況をファンの方に理解していただき、選手を守るのも我々の仕事です」。 同じくファンサービス部の女池智さんも、サポートの大切さを説きます。「選手にも、事故が起こらないようなサインの仕方、断り方を伝え、安全第一を徹底しています。仕切り柵が倒れそうなときは『もう少しこちらで書きましょう』と伝え、移動してもらうなど、サポートしています」。