「ドラマのTBS」復活か? 「アンナチュラル」「MIU404」を手がけた最強トリオが「日曜劇場」登場で他局は戦々恐々
まもなく始まる秋ドラマ。業界人が注目する作品は数あれど、なかでも恐れをもって迎えられるのが日曜劇場「海に眠るダイヤモンド」(TBS)だという。 【写真をみる】「アンナチュラル」「MIU404」の“最強トリオ”による新作ドラマキャストに選ばれたのは? ***
9月16日に最終回が放送された二宮和也・主演の日曜劇場「ブラックペアン シーズン2」(TBS)の視聴率は、世帯12.0%、個人7.1%を記録(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯:以下同)。平均世帯視聴率は11.3%で、今期の連ドラではNo.1の成績だ。民放プロデューサーは言う。 「次の日曜劇場『海に眠るダイヤモンド』がどのくらい数字を取るのか、興味深いし恐ろしくもある」 神木隆之介を主演に迎え《高度経済成長期の端島と、どこか閉塞感が漂う現代の東京。70年の時を超え、2つの異なる場所をつなぐ若者たちの物語》(公式ホームページより)だ。端島とはいわゆる軍艦島だ。 「どんな役を演じさせても失敗しないことで定評のある神木が主役であることに加え、脚本・野木亜紀子、監督・塚原あゆ子、プロデューサー・新井順子という、TBSドラマの最強トリオがとうとう日曜劇場で組まれることが脅威です」 野木はTBSの社員ではないが、16年の「重版出来!」(主演・黒木華)や同年の「逃げるは恥だが役に立つ」(主演・新垣結衣)などTBSの作品が多い。また、この2作は同名の漫画が原作だったが、18年の「アンナチュラル」(主演・石原さとみ)以降はオリジナル脚本が増えている。 塚原と新井はTBSグループのTBSスパークルに所属する演出家とプロデューサーだ。 「この3人が組んだドラマは『アンナチュラル』と『MIU404』(主演・綾野剛、星野源)で、いずれも高視聴率を記録した上に作品としても高い評価を受けました。その流れは現在公開中の映画『ラストマイル』(主演・満島ひかり)に繋がっています」
脇役に主役を起用
大ヒット中の「ラストマイル」には、「アンナチュラル」から三澄(石原)、中堂(井浦新)、東海林(市川実日子)、「MIU404」から伊吹(綾野)と志摩(星野)はもちろん、桔梗(麻生久美子)や陣馬(橋本じゅん)などがドラマの役柄そのままで出演していることでも話題となった。 「複数の過去作の人たちが出てくる、いわゆるシェアード・ユニバース映画で、マーベル・コミックのヒーローたちが集結した映画『アベンジャーズ』のような作品はありますが、現代劇ではこれまであまりない取り組みでした。それももともとこの3人が作っていたドラマだったからできたことです」 主役級ならぬ“本物の主役”を脇で起用するとは大胆だ。ギャラだってかかるのでは? 「日本の映画は制作費が安いですから、それほど高額は出せないでしょう。『アンナチュラル』と『MIU404』のキャストはそれほど重要な役柄でもありませんでしたし、出演時間も短いのでギャラはお付き合い価格だと思います。それでもドラマの視聴者にとっては強いインパクトが残るのです」 なぜこの3人の作品は強いのだろう。