【更年期のメンタル不調対策 】更年期メンタル不調をこじらせないためのセーフティネットとは?
更年期のメンタル不調は介護や家庭内のストレス、職場ストレスが重くのしかかると重症化する心配がある。心の健康を守るためにも一人で抱え込まないことが肝心。まずは婦人科のかかりつけ医を持とう。介護が大変な人は介護のプロの手を借りて、家庭内や職場のハラスメントの悩みがある人は相談機関に相談を。よしの女性診療所院長の吉野一枝さんに解説してもらった。
心身の不調を相談できる「かかりつけの婦人科医」を持つことが大事
これまでに妊娠・出産経験がない人の場合、乳がん・子宮がん検診を受ける以外は、婦人科と縁がなかったという人も少なくないだろう。そのため、つらい症状が現れてから、慌てて婦人科に駆け込むケースが多いのだ。 「更年期の自覚がない人も、月経周期が乱れ始めたら『更年期の入り口』に入ったサイン。まずはこのタイミングで婦人科を受診することをおすすめします。また、心身の不調がいくつもあると、どこで診てもらうべき?と迷ってしまいがちですが、そんなときは婦人科を受診して、更年期の症状なのかどうか診断してもらうといいでしょう。 更年期症状であれば、ホルモン補充療法や漢方の処方によって症状が楽になることが多いのですが、ときにはほかの病気が隠れているケースもあります。不調の原因が更年期によるものか、ほかの病気なのかを婦人科医が鑑別し、必要に応じて心療内科や内科、整形外科など、他科を紹介するケースもあるんですよ」(吉野先生) 受診先の婦人科を探す際、最初は友だちの口コミやネットの更年期の記事などを見て探すとよいかもしれない。ただし、医師と患者にも「相性が合う・合わない」がある。友人がすすめる先生があなたと合わないケースもあるため、まずはクリニックを2~3カ所くらいピックアップして、実際に診察を受けてみよう。 「『自分とは合わないな』と思ったときは何人かあたってみて、ドクター・ショッピングするのもいいと思いますよ。その際、更年期のことをきちんと診てくれるクリニックを選ぶのがポイント。ちなみに、うちのクリニックには親子で通う人たちもいます。自分のかかりつけの婦人科に、お母さんが娘さんを連れて行ってあげるといいですね。初経が来たタイミングで婦人科につながるのは、女性の一生の健康維持にとても大切なこと。ぜひマイ婦人科を持ってほしいと思います」