大阪城に黄金の「御座船」 ── 大坂の陣400年天下一祭夏の陣・概要決定
大坂の陣で大阪の盛り上げを図る大坂の陣400年プロジェクト実行委員会(橋爪紳也委員長)が30日、大阪市北区の市庁舎で会合を開き、大坂の陣400年天下一祭夏の陣の開催概要を決定した。太閤秀吉ゆかりの遊覧船が再現されるほか、大阪城天守閣を借景とする薪能が上演されるなど、盛りだくさんの内容になっている。前半戦の冬の陣イベントが好評だっただけに、関係者は夏の陣へ勢い込む。
冬の陣夏の陣で集客400万人が目標
大坂の陣400年天下一祭のコアイベントは14年10月から12月までの冬の陣と、今年4月から9月ごろまでの夏の陣の二部構成で展開。前半の冬の陣は目標の140万人を上回る169万人の集客実績を残した。冬の陣と夏の陣で最終的に400万人の集客をめざす。 夏の陣の主な事業は次の通り。豊臣秀吉が愛用した御座船を屏風絵から再現。船全体に金箔を張り、大阪城の内濠を約20分間遊覧する。城内での遊覧船の本格就航は初めてだ。 大阪城天守閣を背景に荘厳な能舞台が設置され、「夏の陣大阪城本丸薪能」が上演される。夏休み期間には大阪迎賓館お化け屋敷がオープン。テーマは大阪城に伝わる怪談だ。城内はとても広いが、昔懐かしい人力車が登場し、城内での移動をサポートする。 府域でも万博記念公園や関西国際空港、夏の陣の舞台となった藤井寺市や八尾市などで、記念イベントが目白押し。第1回「大坂の陣歴史検定」が5月、大阪と東京で開催される。
「町人のまち」に加え「サムライ都市大阪」をアピール
出席した委員からは「14年度の大阪城天守閣の入館者が、前年度と比べて飛躍的に伸びた」「これまでの東アジアに加え、インドや中近東の旅行関係者からの問い合わせが増えてきた」などと、天下一祭効果の手応えを感じている声が相次いだ。 橋爪委員長は「大阪城公園全体を面として活用し、天守閣以外でも随所でイベントを展開して、観光客に長く滞在して楽しんでもらえるよう工夫している。城内のにぎわいが都心へも広がるようにしていきたい」と話す。 豊国神社の秀吉像や城内に設置したサムライ型のオブジェが、外国人観光客の記念撮影スポットとして人気が高まっていることに着目。「これまで大阪は町民のまちのイメージが強かったが、天下一祭で大阪がサムライ文化の都市でもあったという情報を発信し、外国人観光客に大阪の多面的な魅力をアピールしていきたい」と意気込んでいる。 (文責・岡村雅之/関西ライター名鑑)