オーストラリア戦に向けて調整する田中（右から２人目）

　サッカー日本代表は14日、2026年W杯北中米大会アジア最終予選C組第4戦のオーストラリア戦（15日・埼玉スタジアム）に向け、試合会場で冒頭以降は非公開でトレーニングした。 　埼スタで挑むW杯アジア最終予選のオーストラリア戦。ボランチの田中碧（リーズ）には忘れられない夜がある。 2021年10月12日。カタール大会の最終予選で1勝2敗と苦境に立たされた森保一監督にスタメン抜てきされ、代表初ゴールとなる先制点を右足でたたき込んだ。当時23歳。「あの時は右も左も分からないままがむしゃらにやっていた。今は違う」 　代表でこれまで積み上げたゴールは「8」。22年のW杯カタール大会では、ゴールを決めて「三笘の1ミリ」を成就させ、強豪スペインを奈落の底にたたき落とした。今年3月のW杯北中米大会アジア2次予選の北朝鮮戦（国立）では値千金の決勝ゴール。日本を救った数々の一発は、全てあのオーストラリア戦から始まった。 　あれから3年。今回の最終予選はこれまでの全3戦はいずれもベンチスタートで、出場も9月の中国戦の19分だけ。しかし、オーストラリア戦を前に不動のボランチ、主将の遠藤航が体調不良となり、田中に今最終予選初スタメンの可能性も出てきた。 　「チームが勝つことが何よりも大事。そのために自分にしかできないことを出していきたい」。パスで組み立てを支え、隙あらば相手の急所に飛び込みゴールを奪う。得点力を備えた26歳のボランチには、再び聖地で喝采を浴びる準備ができている。