「射撃訓練による難聴」問題 自衛官やOBは〝個人の責任〟と厳しい反応 消せないヒューマンエラーに「フールプルーフ」の考え方
自衛隊も職場環境に留意して、補償の手厚い職場に生まれ変わることができないだろうか。爆音環境にある自衛隊員に高機能エレクトリック・イヤー・マフの配布をしたうえで、障害が発生すれば労災や手厚い補償を出す改善策をとれば、自衛官採用に良い影響をもたらすはずだ。ここを改善するための転機と捉えてほしい。
■小笠原理恵(おがさわら・りえ) 国防ジャーナリスト。1964年、香川県生まれ。関西外国語大学卒。広告代理店勤務を経て、フリーライターとして活動。自衛隊の待遇問題を考える「自衛官守る会」代表。現在、「月刊Hanadaプラス」で連載中。2022年、第15回「真の近現代史観」懸賞論文で、「ウクライナの先にあるもの~日本は『その時』に備えることができるのか~」で、最優秀藤誠志賞を受賞。著書に『自衛隊員は基地のトイレットペーパーを「自腹」で買う』(扶桑社新書)。