「タケ・クボはバルサにも通用するよ」子供の予言通り…MVP久保建英「ソシエダで一番の試合かも。大事なのは明日、この街で…」覚醒の全事実
日本代表11月シリーズ合流を前に、FW久保建英が首位バルサを見事に攻略し、この試合のMVPに輝いた。レアル・ソシエダに来てからの“ベストゲーム”とも自賛した全事実を、現地在住カメラマン中島大介氏がレンズ越しに捉えた。 【撮影写真】「バルサにも通用するよ」“久保建英”漢字マフラーで応援する子供がイケてる…「バルサ守備陣、2枚がかりでもクボにタジタジ」「手作り日の丸で応援するファンも」タケMVP獲得の全事実を見る
魂を込めて…ソシエダで一番の試合だったかも
試合終了のホイッスルが響き渡ったピッチ上には、左拳を強く握り締めそして高々と掲げた14番の姿があった。 ラ・リーガ13節、久保建英が所属するレアル・ソシエダはFCバルセロナと対戦。バルサはリーガ首位だけではなく、宿敵レアル・マドリーとのクラシコでの0-4、CL対バイエルン戦での4-1と強敵を薙ぎ倒し、破竹の勢いで公式戦7連勝、そのうち5試合で4得点以上の得点力を見せていた。 ソシエダから見れば、そんな相手を完封し、1-0の勝利を手にしたのは非常に大きい。 バルサの猛攻にさらされる時間帯もあったが、久保は攻守にわたり自身の存在を知らしめた。試合後には「今日は魂を込めてプレーしました。そしてソシエダのユニホームで戦った一番の試合だったかもしれません」とコメントを残しており、その充実感が自然と自らの拳を掲げさせた。
「久保建英」漢字タオマフの少年ファンが
11月10日、久保にとってかつて下部組織でプレーした古巣との対戦を撮影するため、スペイン北部サンセバスチャンを訪れた。 キックオフは21時、日没が遅いスペインとはいえ、すでに日は落ち幾分の肌寒さを感じる。それでもスタジアムの周りでは、暖色の街灯に照らされたテラス席に、青と白のユニホームを着込んだたくさんのソシエダサポーターがビールを片手にピンチョスをつまむ姿がみえた。 首位チームを迎え入れる戦いへのファンの気持ちの昂りを感じた。機材を抱えながらもついつい吸い寄せられ、撮影前の腹ごしらえとなった。 スタジアム内最前列では〈久保建英〉と漢字で表記されたマフラーを高々と掲げた少年サポーターが今か今かと選手の登場を待っていた。 「今日は2-0でソシエダが勝つよ、Takeが1ゴール。Takeのドリブルが好きなんだ。バルサにも通用するよ!」と試合を占った。 一方で最前列には、バルサユニホーム姿で目を輝かせる多くの少年ファンの姿もあった。多くのファンの背中には、バルサの17歳ラミン・ヤマルの名が記されていた。 たしかに今季のバルサのサッカーには、見るものを魅了する力がある。そしてスター揃いのバルサの攻撃を牽引するのが、ヤマルである。左利きの17歳は、相手に触れさせる隙さえ与えないドリブルだけでなく、相手が予想できないコースへパスを通すなど、アシスト数7を数えている。 そのヤマルはスタジアムにこそ姿を見せたが、負傷離脱によりベンチ入りすることもなかった。左利きが右サイドでプレーする点では、久保との共通項があり、共演の撮影が楽しみだったが、ホームで1勝しか挙げることができていないホームチームにとっては、ヤマル不在は1つ目の幸運だったといえる。