秋冬果実の品薄続く リンゴ4割、ミカン3割高
リンゴやミカンといった秋冬果実が軒並み高値を付けている。夏の猛暑などの影響で、日焼け果や着色遅れなどが見られ、取引量が減少。リンゴとミカンは、主要卸の取引価格が平年(過去5年平均)比で3、4割高い。小売りは値頃感を出そうとばら売りに力を入れる。 【画像】早生ミカンの日農平均価格と取引量の推移 リンゴの15日の日農平均価格(各地区大手7卸のデータを集計)は、平年比42%高の1キロ465円と、10月から高値が続いている。中生種の切り上がりが例年より10日程度早く、11月上旬は端境となり取引量が同2割減だった。 後続の晩生種の入荷は始まっている。青森県のJAつがる弘前によると、「ふじの出荷量は前年を上回る見込みで、着色や肥大は順調」という。今後増量が見込まれ、東京の青果卸は「11月いっぱいは緩やかな下げとなるが、高値基調が続く」と見通す。 早生ミカンは平年比32%高の1キロ370円。適度な降雨もあって大玉傾向だが、主産県の裏年傾向に加え着色遅れなどで出方が鈍く、11月上旬の取引量は同5割減と極端な品薄だった。不足感が強いため、別の卸は「12月頭までは高値のままもちあい」と見通す。 果実全般の価格が高騰する中、大手スーパーは、「値頃感が出るばら売りの強化や、袋売りの個数を減らすなど調整して売り込んでいる」と話す。
日本農業新聞