「こんなビジュアルだったとは」ネッシーや雪男も…『ドラえもん』ワールドで描かれた「UMA」たち
■どこか人間臭い立ち振る舞いに、思わずほっこり…雪男
誰も立ち入らぬ山の奥に太古から生き延びた野人のような存在が生息している……そんなテイストのエピソードは日本のみならず各国に存在するが、その代表格として名を馳せている“UMA”といえば、雪深い山中で目撃される「雪男」だろう。 全身毛むくじゃらで、人と獣を掛け合わせたような存在として恐れられている雪男。そんな雪男が登場するのが「雪男のアルバイト」というエピソードだ。 スネ夫から山奥に住む謎の生物・“ヤマゴン”の写真を見せつけられたことをきっかけに、ドラえもんとのび太は雪男をヒマラヤまで探しに行くことに。するとあっさりと雪男を見つけてしまうのび太たちだったが、雪男に「どこでもドア」をかじられてしまう。 「ほんやくコンニャク」の力を使って雪男と対話を試みると、雪男はとにかくお腹が減っており、そのせいで「どこでもドア」を食べてしまったという。見かねたドラえもんがポケットに入っていたどら焼きを差し出すと、雪男はそのうまさに感激し、夢中でどら焼きを頬張るのだった。 都市伝説でも語り継がれている通り、作中に登場する雪男は全身が体毛で包まれた“猿人”のような姿をしているのだが、「ほんやくコンニャク」によって対話をしてしまうというのが、まさに『ドラえもん』ならではの展開といえるだろう。 空腹に苦しむ姿や、どら焼きの味に感激する様子など、その人間臭い立ち振る舞いはどこか観る者をほっこりとさせてくれる。そんな彼がいったいどのような「アルバイト」をすることになるのか……ぜひ、実際にエピソードを見て、確かめてみてほしい。 “ひみつ道具”を使うことで各地を飛び回り活躍するドラえもんたちだが、思いがけない形で“UMA”と遭遇するエピソードも多い。ときにはペットにしてみたり、対話をして仲良くなってみたりと、どのエピソードも“UMA”がより身近な存在に感じられるようなものばかりだ。 また、藤子・F・不二雄さんの描く“UMA”はリアルテイストなものからマスコット的なものまでバラエティに富んでおり、そんな個性豊かな“UMA”像も本作の見どころとなっていた。
創也慎介