サカイ・インドネシアの工場施設で開催された、ＣＡＥ工法に関するセミナーの様子＝12日、西ジャワ州ブカシ（ＮＮＡ撮影）

　道路機械大手の酒井重工業は12日、インドネシアの西ジャワ州ブカシにある現地法人サカイ・インドネシアの工場施設で、日本の道路補修工法「セメント・アスファルト乳剤スタビライザー（ＣＡＥ）工法」に関するセミナーを開いた。国際協力機構（ＪＩＣＡ）との共催。 　酒井重工業は2023年にインドネシアでのＣＡＥ工法の導入に向けた実証事業が、ＪＩＣＡが持続可能な開発目標（ＳＤＧｓ）に沿って、日本以外の国の課題解決や発展に貢献するとみられる日本企業の現地展開をサポートする「ビジネス化実証事業」に採択された。セミナーは同事業の一環。 　同事業を通して酒井重工業は、廃材の削減や持続性の向上などを実現するＣＡＥ工法をインドネシアで基準化させ、同工法に適した機械ロードスタビライザー「ＰＭ550―ｓ」の利用拡大を目指している。 　ＣＡＥ工法は、破損した道路の表層を路上で破砕し、同時にセメントとアスファルト乳剤を添加して、既存の材料と混合していくことで新しい路盤を築くリサイクル工法。 　日本では1980年代ごろから使用され始め、一般的な道路補修工法となっている。 　セミナーに登壇した、海外事業本部営業部の第１営業室リーダー、関口直人氏は、ＣＡＥ工法について、廃材を路盤材として再利用するため、省資源化できるとしたほか、路盤の強度や耐久性、柔軟性の向上、ひび割れの発生を抑える効果があるなどと説明した。 　インドネシアでは、既設の舗装や路盤を一度取り除いて、新しく施工する「打ち換え工法」などが既に使われているというが、現場で施工が完結するＣＡＥ工法は工期の短縮にもつながると述べた。 　今年は、公共事業・国民住宅省の施設の一部で、ＣＡＥ工法の試験施工も実施した。 　現在は、インドネシアの公共工事でＣＡＥ工法が使えるよう、ガイドラインや特記仕様書を政府に提出しており、承認を待っているという。2025年中にも国道などでＣＡＥ工法を使用した施工の実施ができることを目指したいとした。 　セミナーではこのほか、技術営業室室長で技術士の藤田仁氏が、「日本は世界で最もアスファルト舗装のリサイクルが進んだ国で、リサイクル率は100％に近い」と説明し、６割がアスファルト混合物に、４割がＣＡＥ工法などで路盤材として再生されていると説明した。 　セミナーには、在インドネシア日本大使館の上田肇経済公使やＪＩＣＡインドネシア事務所の小野望次長、公共事業・国民住宅省の関係者らが参加した。