学習端末導入したものの活用方法や利用環境に困る学校が多い…県教委「ほぼ毎日、授業で使う児童生徒は1~2割」
タブレット端末など教育現場でのICT(情報通信技術)の利用状況について、徳島県教育委員会は、公立の小中学校が端末の活用方法やインターネット環境などを課題と考えているとの調査結果をまとめた。
県教委は今年度、県内の小中学校約7割に調査を実施。結果、端末の利用機会が少ない小学校が課題として挙げたのは、「活用推進」39%、「機器・ネット環境等」20・8%など。中学校では「機器・ネット環境等」37・8%、「活用推進」「デジタル人材育成」がそれぞれ24・3%だった。
利用が進んでいる小中学校でも同様の傾向がみられ、端末を導入したものの、活用方法や利用環境に困っている学校が多い実態が明らかになった。
県教委は、来年度の端末を選ぶ市町村に対し、県内の公立小中学校で最も使われているウィンドウズのほか、グーグル・クローム、iPadの各基本ソフト(OS)について説明し、共同で調達する。さらに県内統一のアカウントを設け、機種変更や児童生徒が進学・転校しても学習情報を引き継げるようにする。
一方、高校では、5月に城北など3校に実証配備したクロームブックを正式に導入する方針。
県教委は15日、調査結果を県GIGAスクール構想推進本部会議(本部長=中川斉史教育長)で公表。「ほぼ毎日、授業で端末を活用している公立小中高校の児童生徒は1~2割」などと説明した。
会議では、宮本淳・県高等学校長協会長(脇町高校長)が「学習の質を高める方が大切」と発言。県教委は今後、端末の活用機会を増やすだけでなく、学習効果の向上策も探る。