グーグルは、エネルギーを大量に消費するAIデータセンターにクリーンな電力を供給するために原子力を利用する契約を結んだ。

グーグルはAIのために原子力発電に本格的に取り組む準備ができているようだ。 検索大手のグーグルはAIデータセンターに電力を供給するために新たな原子力発電所を稼働させる契約を結んだ。 【全画像をみる】グーグルも原子力発電を選択…AIによる電力需要増に備えて 同社は、AIの高いエネルギー需要を満たすために原子力に関心を示す最新のテクノロジー企業だ。 生成AI（人工知能）ブームに伴うデータセンターのエネルギー需要が非常に大きいため、大手テック企業はこれまで関与してこなかった原子力産業に、長期的な顧客として依存せざるを得ない状況に直面している。 グーグル（Google）は2024年10月14日、小型原子炉を開発するアメリカのスタートアップ、カイロス・パワー（Kairos Power）との提携を発表し、同社は新たな原子力発電所の契約を結んだ最初のテック大手となった。この契約では、カイロス・パワーがグーグルのために小型モジュール式原子炉を建設することとなっている。 そうした原子炉には、カイロス・パワーが2024年7月にテネシー州東部で建設を開始した1基も含まれ、2030年までに稼働開始する予定だ。グーグルによると、2035年までにすべての準備を完了させ、アメリカの電力網に最大500メガワットの「新しい24時間365日カーボンフリーの電力」を供給できるようになるという。継続的な稼働と平均的な消費レベルを前提とすると、この電力量はアメリカの約43万8000世帯の1年分に相当する。 グーグルのサンダー・ピチャイ（Sundar Pichai）CEOは2024年10月初め、同社が「小型モジュール式原子炉のような技術を評価している」とインタビューで話し、原子力に対する投資の動きがあることをほのめかしていた。 この契約の詳細は明らかにされていないが、この取り決めの重要性は非常に大きいと言える。特に、過去20年間にアメリカで稼働を開始した原子炉がたった3基であることを考えるとそれは明らかだ。 AIの発展はグーグルやその競合他社を原子力発電に向かわせており、それらの企業はテック業界で深刻化するエネルギー問題の新しい解決策を模索している。