「サブコン」が引っ張る建設株、製造業の国内回帰で市況改善の恩恵
サブコン株はビルの設備工事を請け負うダイダンや空調設備の新日本空調が過去1年間でそれぞれ約2倍に水準を切り上げ、情報通信・電気設備のきんでんも約80%上昇した。
もちろん、全てが盤石と言えるわけではない。人口減少に伴い構造的な国内需要の減退は避けられず、継続的に急成長が見込めるかどうかは不透明だ。収益の観点でも、23年末時点でTOPIX建設業指数の1株当たり利益(EPS)は19年に付けたピークに到達しておらず、既に過去最高益を更新した食料品指数などに比べて見劣りする。
とはいえ、長く構造不況業種とみられてきた業界の環境が、米中分断を機に大きく変わってきたのは確かだ。建設業指数の予想株価収益率(PER)は13倍台と株価評価尺度(バリュエーション)もまだ比較的低いことから、手堅い投資先となる可能性はある。
三井住友DSアセットマネジメントの木村忠央チーフファンドマネジャーは、「もしリショアリング(国内回帰)が長期的なトレンドだと考えるのであれば、サブコンのビジネス環境は今後数年単位で見ても良好な可能性が高い」との見方を示した。
関連記事
(c)2024 Bloomberg L.P.
Hideyuki Sano