『ささ恋』加隈亜衣が感じた“香織役として”のもどかしさ アフレコ現場でも女子校ノリを遠慮なく…【インタビュー】
メインキャラではないからこそ、原作から汲むこだわりを
――愛情表現をする香織を真理が邪険に扱うというのが、二人のお約束になっているのも面白いです。 加隈 その距離感も好きなんですが、原作コミックスのカバー裏の漫画でよく取り上げられる香織と真理の距離感もすごくいいんです。香織が風邪で学校を1週間休んだというお話(第5巻カバー裏)では、「さみしかったぁ――!?」ってベタベタする香織に、真理が「当たり前でしょ…」って返すんですよね。「あ、なんだかんだ言って満更でもないんじゃん!」というのが見てとれたので、演じるときも遠慮なく愛情表現をするようにしています(笑)。 ――カバー裏の漫画からインスパイアされた部分もあるんですね。 加隈 そうですね。ひまりと依が主軸の本編では、香織と真理のすべてが描かれるわけではないと思うので、そういう部分からも二人の関係性を拾うようにしてニュアンスを入れるようにしています。 ――第5話では依の作った「Sunny Spot」を聞いて、自分も真理にこれくらい愛されたいとストレートに表現していましたね。 加隈 駆け引きせずストレートを投げ続けるのが香織のいいところなんです。……あまりにストレートすぎるから、真理に軽くあしらわれてしまうんですけど(笑)。ひまりともまた違う素直さが香織らしさなのかなと思います。 ――デートすることになったひまりと依を祝福する姿もよかったです。 加隈 香織はケーキなのに、真理はお赤飯というおばあちゃんみたいなことを言っていたのが面白かったです。でも、「友達が嬉しいのが嬉しい」という二人の優しさが伝わってきましたし、本当にSSGIRLSはいいバンドなんだなと思いました。第1話で依がひまりのことを相談してくれたのも、そこまで自分のことを話せる信頼関係なんだとわかって、嬉しかったですね。 ――「ささ恋インタビュー」第4回で、真理役の小原好美さんが加隈さんとの掛け合いは安心感があるとおっしゃっていました。加隈さんは小原さんのお芝居はいかがでしたか? 加隈 真理は表情が豊かというわけではないので、感情の込め方一つで印象ががらりと変わる難しい役どころです。ともすれば淡々としすぎて冷たく見えてしまうんですが、ここちゃん(小原)の演じる真理は、冷たい印象どころか、むしろほっとする温度感で、これがここちゃんの声質の力なんだなと実感しました。ここちゃんのマイルドでかわいらしい、まるっとした声質がぴったりはまっていて、掛け合いをしながら私も真理をかまったり、わしゃわしゃしたりしたくなりました。