マカオ、特殊詐欺事案に絡み香港人の受け子の男逮捕
マカオ司法警察局は6月18日、マカオで被害が確認された特殊詐欺(電話詐欺)事案に絡み、30代の香港人の男1人を逮捕したと発表。 同局によれば、同月14日午後、マカオ市民の女性から電話詐欺の被害に遭ったとする通報が寄せられたとのこと。その内容は、被害者宅の固定電話に”孫”を名乗る人物から中国本土において刑事事件で勾留されており、急ぎ保釈金として10万パタカ(日本円換算:約197万円)が必要となり、追って弁護士が受け取りに行くとするもので、被害者はこれを信じ、自宅マンションを訪ねてきた弁護士を名乗る男に現金を渡し、後にに追加で15万パタカ(約295万円)を要求され、これにも応じたが、2日後に家族とこの件について話をした際に詐欺だったことに気づき、警察へ通報するに至ったという。 通報を受けた同局が調査を進め、弁護士を名乗ってカネを受け取った男の身元を特定するも、同月15日午後にマカオを離れていたことが判明。その後、同月17日に男が再びマカオ入りしたことがわかり、配備を敷いた上で2人目の被害者宅に現金を受け取りに来たところを逮捕に成功。なお、男は逮捕時に2人目の被害者からも同様の手口で詐取した現金3万パタカ(約59万円)を所持していたとのこと。 その後の調べで、男は香港の電話詐欺グループの指示を受けて動いていたことがわかり、友人から現金1万2500香港ドル(約25万円)の報酬で上述の3回の”受け子”の役割を引き受けていたという。同局では、男を相当巨額詐欺及び組織犯罪、マネーロンダリングの罪で検察院送致するとともに、グループの他のメンバーと詐取した現金の行方について捜査を継続するとした。 マカオでは前月(5月)以降、香港の犯罪組織が関与したとみられる電話詐欺事案が相次ぎ発生している。同局は一連の電話詐欺による被害者の多くがマカオの高齢者とし、累次の注意喚起情報を発出した。