【更年期のメンタル不調対策 】更年期メンタル不調をセルフケア!「自分ファースト」の時間を持とう
更年期のメンタル不調をこじらせないためには、疲れやストレスをまめにリセットすることが大事。短時間でいいので、1日1回、リラックスできる時間を作ろう。「自分ファースト」で過ごす時間がストレス解消&気分転換に。気分を上げる工夫や考え方について、更年期世代の心の悩みに寄り添う親身な診察に定評がある産婦人科医・吉野一枝さんからアドバイスをいただいた。
自分のことを後回しにしないで、「自分ファースト」の意識を持ちたい
「多くの人が自分のことを後回しにして、よい妻、よい母、よい娘、よい部下、よい上司であろうと根を詰めているのではないでしょうか。でも、『よい人』でいようとするのをやめて、もっと『自分ファースト』で生きてもいいんじゃないかと思います。自分の人生は自分の責任。この先も人生が続くので、老年期に向けて『自分の健康をしっかりと守って生きていこう』という意識を持たなくては」(吉野先生) 更年期の諸症状を我慢してハードに過ごしていると、知らず知らずのうちにストレスがたまり、ある日、ダムが決壊するようにメンタル不調を引き起こすことがあるのだ。そうなる前に手を打つことが大事。負のスパイラルに陥ると思考が低下して、落ち込みや不安、イライラ、不眠などの不調に悩まされてしまいがち。メンタルを守るためにも、気分転換を図る術を知っておこう。 かつて吉野先生自身も更年期の頃に母親との同居生活を経験し、ストレスがマックスに。紆余曲折を経て、同居を解消した経験があるのだそう。当時、車の運転中にパニック発作のような症状が出たこともあった。 「私の場合、そのときの自分を落ち着かせる一番の方法が〈怒ること〉だったんです。といっても、人に八つ当たりしたりはしませんよ。『日本の社会は、なんでこんなにひどいの!女性がないがしろにされている!』と、社会に対して怒りまくっているうちに気持ちが落ち着きました。ただ、これは万人向けとはいえないので、誰にでもおすすめできる方法ではないですけどね(笑)」 吉野先生が日頃、更年期の患者さんたちにすすめているのは「1日10~20分でいいので、自分が好きなこと、あるいは自分が心地よく感じられることをする時間を持ちましょう」ということ。例えば、朝目覚めた直後や夜寝る前はベストタイム。一日の始まりをすっきりとした気持ちでスタートしたり、イヤなことをリセットすることができる。