虎のソナタ 〝球児効果〟の予感ワクワク 守護神ならではの視点で未完の超大砲目覚めさせるかも
一回に井上が先制タイムリー。六回、井上が再びタイムリー。さらに前川が逆転3ラン。野口も続いてドカン。若きスラッガーが大活躍だった。相手はクライマックスシリーズ(CS)で敗れたDeNA(の2軍)。 【写真】手を伸ばすファンに応え…自身もギリギリまで背伸びをしながらファンサービスに努める阪神・前川 この3人が、数日前の甲子園で大爆発していれば…と言いたくもなるが、ここは宮崎。CSではなく、みやざきフェニックス・リーグの真っただ中。いつまで引きずっているんや!と叱られそうなので、もうやめておく。 「やっぱり野球は試合をしてくれるのが一番ですね。しかも、阪神の選手が打ちまくってくれるのは最高です。原稿が分かりやすいですから。藤川新監督の目の前で、若虎たちが猛アピール! できあがりです」 トラ番サブキャップ・原田遼太郎からのホットライン。声のトーンだけで猛虎打線の躍動が伝わってきた。 トラ番・中屋友那が一生懸命に送ってきた速報記事の締めくくりも「藤川新監督の前で輝くものを見せた」。ウキウキしながらパソコンのキーをたたいている姿が目に浮かんだ。 「新監督は、各社のトラ番記者に対しても『一緒にタイガースを盛り上げていきましょう』と話し掛けてくださって。そういう雰囲気を作ってくれそうです」 期待値の大きさを語ってくれたサブキャップ原田は、別の意味でも〝球児効果〟を予感していた。それは、闘将・星野仙一監督以来、22年ぶりに投手出身監督が阪神に誕生することだ。 「ボク自身も、野手(捕手を含む)出身監督しか知らないので、どんな空気感になるのか。意外に楽しみなのは、佐藤輝にどんな変化が生まれるか。投手出身ならではの、投手目線のちょっとしたアドバイスがあったら、一気に変わることだってあり得ますよね」 大打者だからこそ分かる世界もあれば、別の角度からでしか見えない部分ある。一世を風靡(ふうび)した守護神ならではの視点が、未完の超大砲を目覚めさせてくれれば…。原田記者でなくとも、ワクワクしてくる。 新監督は現役時代に面白いことを言っていた。2008年頃だと思う。すでに投手陣の堂々たるリーダーだった。