【新型トライトンを○△✕で判定】◯はエンジン・乗り心地・ハンドリングが優秀!×は特にないけど…。
「 新型トライトンの△」電動パーキングブレーキ(EPB)が未設定なのは惜しい!
装備では、電動パーキングブレーキ(EPB)は未設定で、手動式のパーキングブレーキ(サイドブレーキ)になる。つまり、アダプティブクルーズコントロール(ACC)のレーダークルーズコントロールは、全車標準だが、ストップ&ゴー付の全車速域対応ではない。25km/h以下になると、ACCは自動的にオフになる。最近は、オフロードモデルでもEPBの標準化が進んでいる。新興国を主戦場とするトライトンにそこまで求めるのは酷かもしれないが、先進安全装備の充実ぶりを考えると、ストップ&ゴー付ACCが欲しいというニーズもアルだろう。 そのほか、身長171cmの筆者にとっては、乗降ステップの高さが少々中途半端で、なくても乗り降りできるため、足元に気を使うこともあった。もちろん、子どもや小柄な人にとっては必須アイテムだけに、身長により乗降性の良し悪しは大きく変わりそうだ。また、リヤゲートの開閉には、若干力がいる。ただし、ピックアップトラックとしては重い方ではない。地上からの開口高も約830mmと、一般的なSUVと比べると、かなり高めで大きな荷物や重い荷物は、2人がかりになることも多そうだ。一方で、対角で1.8m近い奥行きがあり、ピックアップトラックならではの高い積載力も享受できる。 ■後席の居住性と積載性は? そのほか、後席の居住性もピックアップトラックとしてはかなり頑張っているのがうかがえた。後席は固定式で、スライドもリクライニングもしない(背もたれの前倒しが可能)が、荷台長を確保するという制約がありながらも膝前スペースを確保。背もたれも座面もやや平板で、しかも背もたれは直立気味だが、大人でも実用になる快適性を確保している。なお、海外では子どもが後席に横になって休むというニーズもあるそうで、座面の後傾角をあまりつけられなかったそうだ。 「 新型トライトンの×」明確にダメと言える項目はないが…。 些末な点ではあるが、ディーゼルエンジンの音・振動面の粗さは少々きになった。また、低速域から高速域までスムーズで操作性に違和感はないものの、巨体の割には軽すぎる感のある電動パワーステアリング(パワステ)は、好みが分かれそうだ。走行中にやや気になったのは、大きな後席ヘッドレストもあって、後方視界が限られる点。ヘッドレストを取り外しするのは面倒だし、置き場に困ることもある。前席にしか絶対に乗車しないのなら取り外す手もありそうだが、急に座る必要があると困ってしまう。また、長めの荷台を備えることもあり、後方が遠く感じる。後退時も慣れるまで気を使うこともありそうだ。
塚田 勝弘