社会人の「今から勉強してIT人材に転身し年収増」は可能なのか…大学教授が勧める"最初のプログラミング言語"
■最初のプログラミングにおすすめなのはExcelのVBA これから就職する学生なら、IT関連の資格を取得し、業種を選ぶことも可能だが、今すでに働いている人は、ITに対してどう向き合えばいいのだろうか。 ITに限らずスポーツでも趣味でも、実はやってみないと、好き嫌いや得意不得意がわからないことは多い。その最初のリトマス試験紙としてITパスポートを受けてみることに、意味はあるだろう。 ITパスポート資格試験では実はプログラミングの知識はほとんど要求されず、具体的内容としては、「新しい技術(AI、ビッグデータ、IoT など)や新しい手法(アジャイルなど)の概要に関する知識をはじめ、経営全般(経営戦略、マーケティング、財務、法務など)の知識、IT(セキュリティ、ネットワークなど)の知識、プロジェクトマネジメントの知識など幅広い分野の総合的知識を問う試験です」と説明されている。 最近はプログラム言語としてはpythonが有名だ。pythonは言語としては比較的シンプルだが、パソコンでの環境構築に手間がかかり、コードを書くハードルも高い。 そのため、最初のプログラミングとしてオススメなのは、Office365さえインストールされていれば環境構築なしで使えるExcelのVBAだ。 pythonを業務用パソコンにインストールするには、普通は会社の面倒な手続きが必要で、しかも通常の業務ではどう使えばいいかわからないことも多い。 その点、ExcelのVBAならなんの手続きもいらず、日常業務で使っているExcelデータに対する自動化や、住所データからスペースを削除するといったちょっとした処理にもすぐに使える。 ■転職で年収を上げられる可能性もある VBAに抵抗感があまりなければ、次の段階としては、記述統計やクロス集計、相関係数や回帰分析といった基本的なデータサイエンスに取り組むのがいいだろう。 さらに、ITの世界ではプロジェクトマネジメントという手法がある程度確立しており、プロジェクトマネジメントの知識と経験はシステム開発以外でも役に立つ。 日本のIT人材は分断されているとはいえ、こうしたアプローチでIT人材の要素を一つずつ身につけていくこともできるようになっている。 そうしたスキルと経験を積めば、転職によって大きく年収を上げることができる可能性も高まっている。 前述の経済産業省の資料にも「我が国でも、優秀なデジタル人材の新卒・中途採用を行う際に、通常よりも高い報酬水準を設定する例がみられるようになっている」との記載がある。