鹿児島県伊仙町の保育士殺害、1週間経過も凶器見つからず…近くの住民「戸締まりしていないと不安」
鹿児島県伊仙町の住宅で住人の保育士(55)の遺体が見つかった殺人事件は、27日で1週間となった。県警は徳之島署に約50人態勢の捜査本部を設置し、聞き込みや現場検証を続けるが、凶器は見つからず、容疑者も浮上していない。周辺の住民からは不安の声が聞かれる。 【写真】鹿児島県警察本部
県警によると、20日午後6時頃、伊仙町佐弁の住宅で、この家に住む保育士が血を流して倒れているのを関係者が見つけ、119番した。徳之島地区消防組合によると、首から出血していたという。
遺体の発見から2日後の22日、司法解剖が行われ、死因は出血性ショックと判明。保育士の上半身には鋭利なものによる複数の傷があったことなどから、県警は殺人事件と断定した。県警本部から捜査員が応援に入り、容疑者の手がかりや凶器などを捜している。
近くに住む女性は「(事件の影響で)人の出入りが多くなっているが、状況は分からないまま。昼夜を問わず、戸締まりをしていないと不安だ」と話す。
保育士は学童保育施設に勤務し、地元の区長を務めていた。近隣の女性(70歳代)は「まじめでトラブルなど聞いたことがない。おとなしい人が何で事件に巻き込まれたのか。早く解決してほしい」と不安を口にした。
伊仙町教育委員会は21日、町内11の小中学校に対して注意喚起した。各校とも集団下校や保護者の送迎、教員の付き添いなどの対応を取っているという。馬根小の教頭は「保護者や地域の方々も心配している。早く安全が確保されてほしい」と願っていた。