台湾の馬英九前総統、中国を訪問 習近平氏との会談焦点
【台北共同】台湾の最大野党、国民党の馬英九前総統が1日、中国広東省深センに到着した。11日までの日程で中国に滞在する。台湾メディアは北京で8日に習近平国家主席と会談する見通しだと伝えており、実現すれば中国が独立派と見なす民主進歩党(民進党)の頼清徳新政権が5月に発足するのを前に、習氏の発言が注目される。 中国は、台湾の金門島付近で2月に起きた中国漁船転覆事故を受け、周辺でのパトロールの常態化を表明するなどし、台湾に圧力をかけている。民進党政権との対話を拒否する一方、対中融和路線の国民党とは対話する姿勢を強調し、台湾を揺さぶる考えだ。 馬氏は到着後、中国国務院(政府)台湾事務弁公室の宋濤主任と会談。新華社電などによると、馬氏は「一つの中国」に基づく中国共産党との「1992年合意」の重要性を強調し「両岸(中台)関係の平和と安定の維持は台湾社会の主流の考え方だ」と主張。宋氏は「台湾独立派による分裂と外部勢力の干渉に断固反対する」と訴えた。