「すべての人が自由に発言していい」ミュージシャン・SUGIZOが社会問題について発信する理由
自分の主義や信仰と違っても、人は共存できるはず
――ただ、ほとんどの人はなんとなく周りの空気を見ながら発信しているように思います。 SUGIZO: 同感です。おそらく、自分と違う考え方の人間を攻撃したり、いじめたりする傾向があるからでしょう。僕はその態度や姿勢がもう変わっていくべきなんじゃないかなと思います。 自分とは主義や信仰が違うだけで、気持ちが一歩離れてしまう。そういう考えになってしまうのはとても残念です。主義が違ったって同じ趣味があれば意気投合できるし、信仰が違ったって愛し合うことはできる。自分との違いを攻撃の対象にするのはもう卒業しませんか。違いがあったって共存できると思うんです。 全ての日本人がもっと自由に意識を持っていい。そういう世の中にするためには、子どもたち世代への教育が重要です。僕らアーティストも、子どもたちは社会に対して重要な存在だと考えていて、ライブでも多くの親子が来やすい環境を整えています。子どもたちをこの社会で一緒に育てていきたいと考えているんです。 ――アクティビストとして活動して発信していく中で、その手応えを感じることはありますか? SUGIZO: 僕が発信したり、みんなと意識を共有したりしていくと、ファンやその家族を通じていい意味で伝染していくんです。世の中の意識が少しずつ変わってきている感覚がありますね。みんなの意識をより高めてシフトさせていく、または意識の目覚めを促すために、僕は活動しているんだなと実感しています。 ---- SUGIZO 作編曲家、ギタリスト、ヴァイオリニスト、音楽プロデューサー。1992年5月、LUNA SEAのコンポーザー、ギタリスト、ヴァイオリニストとしてメジャーデビュー。2009年、X JAPANにも正式メンバーとして加入。2016年初めてヨルダンのシリア難民キャンプを訪れ、慰問演奏。音楽と並行しながら、アクティビストとして、平和活動、人権・難民支援活動、再生可能エネルギー・環境活動、被災地ボランティア活動を積極的に展開する。 文:姫野桂 (この動画記事は、TBSラジオ「荻上チキ・Session」とYahoo! JAPANが共同で制作しました)