雅楽師・東儀秀樹さん 25歳でがん宣告、コンサート前日の大事故…3度死にかけても楽天的でいられる理由|STORY
息子の典親(通称ちっち)さんと親子でツーリングのショット。バイクのパーツ細部に至るまでこだわって楽しむ徹底ぶりもさすが。
東儀さんが掲げる「5つのK」
K―好奇心 Kー観察 K―行動力 K―向上心 K―謙虚 この5Kというのは、インタビューや取材でよく生き方とか考え方を聞かれるので自己分析をしていて「なんで東儀秀樹ってこうなんだろうな」と思って考えた時に、たまたま全部Kから始まる言葉だったんです。誰よりも好奇心が旺盛で、ものを作ったりもするし色々な趣味が増えていく。そこで、一つ目に好奇心。 二つ目の観察は、教わるのが嫌いなのにプロ並みにできるようになるのは、ものすごく観察しているからだということに気付いたんです。あと、やりたがりで楽しみたがりだから「こんなことができたらなぁ」じゃなくて、「やっちゃうんだよ!」っていう三つ目の行動力がいつも僕にはある。 行動してみたら、一度である程度上手くいっても、もっと上手くいきたいっていう希望がいつもあるから、チャレンジャーの僕には向上心がある。それもKから始まる。ということで四つ目は向上心。そして、最後に、いつでも初心に返ってワクワクを忘れたりしないことも大事だな、というので謙虚さを持ってなくちゃいけない、と、なんとなく思いついた言葉でした。傲慢な僕は、一番最後の謙虚、が一番難しいんですけどね(笑)。 ――そこが良さでもあります。 まぁ、自信がすごくあるからね。自分の才能にもある程度自覚を持ってしまっているから、イヤミだってわかっているんだけど、「才能ありますから」とか平気で僕は言うんですよ。冗談めいていつも言って笑わせるんですけど、実は本気で思っているんです(笑)。 ――もはや超越してらっしゃるので納得。誰も否定はしません。 鼻持ちならないヤツだって思う人も世の中にはいっぱいいるけど、仕方ないですよね。僕だって「何だコイツ?」って思うのはよくわかるから。でも、そういう言葉に負けない嘘のない自分でいたいという希望が僕にはいつもあるんです。だからこそ、チャレンジしたりキョロキョロといつも世の中を観察していた方がいいと思うし。井の中の蛙になって威張っていても簡単にバレるから、そうならないように、「本当に自分はトップでいるんだ」っていう自覚を持っているのか自分自身に言い聞かせるためにも堂々と言い切っているところもあります。 ――ご自身にも厳しいですよね? いやいや。僕は自分には厳しくないですよ。言葉で今みたいなことを言うと厳しそうにしてるんだなと思うかもしれないけども、いかに楽に生きるかっていうことを最優先しています。 ――「楽しいストイック」みたいな感じがします。 それはあります。ストイックにものを突き詰めるって、結構、無我夢中になる事もあるから。その無我夢中っていうのは精神的にすごく気持ちのいいことで、結局楽しいことになるんです。夢中になるというのは、回転していくことでもあって、より良いものに向かうために回転していくわけだから。