ホスト大会で恩返しを 石川遼が逆転賞金王へ意欲「チャンスを引き延ばしたい」
<カシオワールドオープン 事前情報◇20日◇Kochi黒潮カントリークラブ (高知県)◇7350ヤード・パー72> 石川遼は暗くなるまで練習中【写真】 2週間前の「三井住友VISA太平洋マスターズ」で通算20勝を達成した石川遼。相性の良い太平洋クラブ御殿場コースで今季2勝目を手にし、続く「ダンロップフェニックス」では6年ぶりに松山英樹と同組でラウンドするなど、濃密な2週間を過ごした。そして今週は、所属先であるカシオ計算機が主催するホスト大会に挑む。 これまで優勝こそないものの、2009年、15年、17年大会で2位を記録。昨年は鍋谷太一がトータル14アンダーで優勝したが、一昨年の2022年大会ではチャン・キム(米国)がトータル32アンダー、2位の岩﨑亜久竜がトータル26アンダーという驚異的な伸ばし合いとなった。「例年、スコアは伸びます。10年くらい前は16とか17アンダーという感じでしたが、今は20アンダーに行くこともある。いかにボギーを減らすかが大事になると思います」と、大会初優勝に向けて目標を明確にした。 賞金王争いもいよいよ佳境を迎える。賞金ランキング1位(1億957万6879円)の平田憲聖と、同2位(1億668万7222円)の金谷拓実との差はわずかに288万9657円。し烈な争いが続いているが、同ランキング5位(7769万3844円)の石川にもまだチャンスは残されている。今大会と最終戦はともに優勝賞金4000万円と高額大会であり、結果次第で状況は大きく変わる可能性がある。「今週で決着がつく可能性もありますが、自分としては来週までチャンスを引き延ばしたい。そういう意味でも頑張りたい」と、逆転の可能性に懸ける。 さらに、ホストプロとしての責任感も石川のモチベーションを高める。「やっぱり意気込むこともありますし、長くサポートしていただいているので、大会の結果という分かりやすい形で恩返しができる機会でもある」。毎年、この高知大会には特別な思いを抱いて挑んでいる。「優勝争いに、いかに加われるか。そこに集中したいので、しっかり準備をしたい」。09年以来の賞金王へ。最高の恩返しを果たすべく、ホストプロは気合十分だ。(文・齊藤啓介)