ソニーセミコンダクタとNECが顔認証ソリューションの共同開発で協業、最先端技術を組み合わせ
ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社(以下、SSS)と日本電気株式会社(以下、NEC)は26日、顔認証ソリューションの共同開発に向けた戦略的協業を開始すると発表した。SSSのイメージセンサーによるエッジAIセンシング技術と、NECの顔認証技術を組み合わせ、幅広いシーンに最適化でき、かつプライバシーに配慮した顔認証ソリューションを共同開発するという。 SSSとNECでは、2022年から物流領域で協業を進めており、SSSの画像処理技術とNECの物流・製造向けの各種ソリューションを組み合わせて、「物流2024年問題」や「サプライチェーン強靭化」などの課題に取り組んできたとのこと。 今回は、そうした中での新たな取り組みとして、両社の最先端技術を組み合わせることにより、これまでは難しいとされていた、逆光などの環境下においても高い精度を維持しつつ、プライバシーにも配慮した顔認証ソリューションの開発を進めるとした。 具体的には、エッジAIセンシング技術を搭載した「AITRIOS(アイトリオス)」プラットフォームの小型AIカメラと、NECが新たに開発した、光環境の変化に強いAIモデルを連携させ、シーンに応じて画質をリアルタイムに最適化して、カメラ内で顔の特徴量を抽出する。これにより、逆光などさまざまな光環境下でも、現場におけるカメラごとの設定調整や運用の手間を簡易化し、低コストかつ高い精度の顔認証ソリューションを実現するとしている。 また、エッジAIセンシング技術を搭載したAIカメラが、顔の特徴情報を抽出してクラウドに送信し、NECの生体認証ソリューション「Bio-IDiom Services」を組み合わせることで認証を実現するほか、AIカメラにはなりすまし対策機能も搭載されるので、プライバシーやセキュリティに配慮した利用にも対応しているという。 なお両社では、システムの設置や運用を効率化することで、入退管理・セキュリティ用途を軸に、オフィスや物流から、リテールやモビリティなどの領域まで、さまざまな業種やシーンでの活用を目指す考えで、今後、2025年度中の販売を目標に開発を推進するとのことだ。
クラウド Watch,石井 一志