ホンダが「新型プレリュード」25年発売へ! 新たな“スポーツカー”は「操る楽しさ」感じるモデルに! さらに五感を刺激する「次世代のスポーツハイブリッド技術」も体感
注目の新機能「Honda S+ Shift」 クルマの“キャラ変”がスゴい!
パワートレインは現行シビック用をベースに、そこに新機能「Honda S+ Shift」を搭載したもの。現行の「リニアシフトコントロール」を大きく進化させた形だと言えます。 このHonda S + Shiftは新型プレリュードを皮切りに、次世代e:HEV搭載の全機種に順次搭載される予定です。
新型プレリュードにはホンダの次世代ハイブリッド技術は搭載されないものの、次世代への技術革新の幕開けを象徴する存在といえます。 そのためホンダとしてもユーザーへ強いインパクトを持ったメッセージを打ち出すことが必要なのだと、今回の試乗を通じて痛感しました。 それほど、プレリュードの走りは秀逸です。 Honda S + Shiftの狙いは、「ドライバー操作とクルマの応答がシンクロし、体感、聴覚、視覚を刺激する、“五感に響く意のまま”を最大化」すると定義しています。 特徴は3つのシフトモード、「コンフォート」「GT」「スポーツ」それぞれに対して、Honda S + Shiftをオン・オフできることです。 例えば、スポーツモードでHonda S+ Shiftをオンにしてみましょう。すると、ダッシュボードにタコメーターが出現し、仮想の最大8速シフトが作動します。 加速時は仮想6000rpmのレッドゾーンぎりぎりでシフトアップしていきます。 駆動用モーターで「シフトをしているようなフィーリング」を再現し、これをエンジンと発電モーターと緻密に連動させるのです。 シフトアップもシフトダウンが、まるで高性能なトランスミッションがついているような、「切れ味の良い」シフトフィーリングが味わえます。 そしてエンジンサウンドもとても良いです。 エンジン自体の「生音(なまおと)」に加えて、サウンドをクリエーションしているのですが、シフトフィーリングを含めて「ギミック」というネガティブなイメージがまったくないところが、真の次世代ハイブリッドを目指すホンダのこだわりと言えるでしょう。 この音は、Honda S + Shiftをオンの状態で、コンフォート、GT、そしてスポーツの順で存在感が増す設定としています。 さらに良かったのが、ワインディング走行時に直線からゆるい左コーナー、さらにその先のS字コーナー、そして急な上りのヘアピンから下りでの細かいS字、といったシチュエーションでの、クルマの操りやすさです。 特に、スポーツモードでHonda S + Shiftがオンの状態だと、減速時のシフトダウンがコーナー進入への程よいタイミングでポンと入ります。 それによって、クルマの姿勢が落ち着くような、いわゆる「セットアップした感覚」がドライバーの全身に伝わるのです。 これにより、かなりハイペースで走っても、ドライバーの心の余裕が生まれます。そこからアクセルを軽く開けると、加速のレスポンスも極めて高いため、S字コーナーでの姿勢変化をアクセルコントロールでつくりやすくなります。 上り坂に向かうヘアピンでも、シフトダウンからクルマのセットアップ、そして鋭いターンインからコーナー脱出へ。 まさに、「操る楽しさ」そして「ワクワク感」が、身体の中から湧き上がってくるのが分かります。 こうした回頭性・旋回性の良さから「これって、AWD?」と思ってしまうような、優れたFF(前輪駆動車)です。なおホンダによれば、新型プレリュードにAWDに設定はありません。 また、コンフォートではHonda S + Shiftにしても、自動のシフトダウンは行われませんが、開発者によると「大切な人をMT車で隣に乗せて、すこし控えめにシフトするイメージ」でパドルシフト(減速コントローラー)を操作することが推奨するといいます。 ホンダだけではなく他社を含めたこれまでのハイブリッド車でも、スポーツモードなどの設定はありますが、プレリュードの「あまりに強烈な“キャラ変”」にはたいそう驚かされました。 最も分かりやすいのが、「ノーマルでHonda S + Shiftなし」と「スポーツでHonda S + Shift あり」との比較です。 シフトダウンのありなしや、音、電動パワステ制御など、「制御によって、ここまでクルマの動きが変わるものなのか!」というのが素直な感想です。 正直なところ、「3つのドライブモード」×「Honda S+ Shiftあり・なし」で、合計6パターンをユーザーがどこまで使い分けるかは、かなり個人差があるでしょう。 それでも、その日の気分や走行状況に応じて、プレリュードを「キャラ変」させるのは、走る歓びを広げることは確かです。 これを実現できるのは、発電用と駆動用の2つのモーターを持ちつつ、エンジンと駆動軸をクラッチによって直結することもできる、ホンダ独自技術 e:HEVのポテンシャルが幅広いからだと言えます。