アルテミス3号でスターシップはいかにして宇宙飛行士を月に運ぶのか–イメージ図が公開
Space Exploration Technologies(SpaceX、スペースX)と米航空宇宙局(NASA)による、月探査に活用される有人着陸システム(Human Landing System:HLS)のイメージ図が米国時間11月20日に公開された。 NASAは、2026年9月に予定している「Artemis III(アルテミス3)」ミッションで月の南極に宇宙飛行士を送り込む。ミッションには、SpaceXが開発している次世代ロケット「Starship」(スターシップ)をベースとしたHLSが使用される。 Artemis IIIでは、宇宙飛行士を乗せた宇宙船「Orion」(オライオン)は巨大ロケット「Space Launch System(SLS)」で打ち上げられ、月周回軌道上でHLSとドッキング。宇宙飛行士はOrionからHLSに移動し、月面に降り立つ。宇宙飛行士は、Axiom Space(アクシオム・スペース)が開発する宇宙服を着用する。 HLSには月面着陸ミッションのための重い機器を運ぶ必要があるため、地球からの打ち上げで大量の燃料を消費する。そのため、HLSに燃料を運ぶためのStarshipが打ち上げられる。燃料を輸送するStarshipは窓がなく、機体にフィンが備え付けられているなど、その外観が異なる。 Artemis IIIのミッションは、Orionの耐熱シールドの問題やStarshipの開発遅延からスケジュールが延期されている。Starshipは11月19日に6回目の試験飛行を実施しており、今後は打ち上げ回数を大幅に増やして開発を加速する予定だ。 Artemis IIIの前にSpaceXは無人での月着陸ミッションを予定している。
塚本直樹