斎藤知事「大暴露」PR会社を巡る3つの意味不明…認識の齟齬はなぜか?SNS主体性で食い違い「足を引っ張りやがって」「県民舐めてる」の声も
SNSの運用体制のナゾ
斎藤氏や陣営として「特別扱い」していた理由がナゾだ。SNS運用業務で実績があり、戦略的広報の重要性を説いてきた女性社長にどのような期待をしていたのか。社長は「仕事」、斎藤氏側は「ボランティア」とする認識のズレはどこから生じたのか。なぜ女性社長はビジネスとしてではなく、個人でやる道を選んだのか。食い違う双方の見解の差はあまりにナゾだ。 3つ目のナゾは、「SNSの運用体制」だ。斎藤氏は「公選法に違反する可能性はないと認識している」と繰り返し、選挙戦におけるSNS運用は「斎藤陣営が主体となって運営した」と語っている。業者が主体的なPR活動を担っていれば法令に抵触する恐れがあるため、その一線は斎藤氏サイドにとって防衛ラインと言える。 ただ、女性社長は「少数精鋭のチームで協力しながら運用」とし、新聞やテレビといったオールドメディアによる批判に屈することなく、支援した斎藤氏が再選を果たせたことを誇っている。この「チーム」というものがどのような形態を指すのか本人の説明がないためナゾなのだが、社長の主張が事実ならば「運用」はしていたことになってしまう。 これに対し、斎藤知事の代理人である弁護士は「事実と、全く事実ではない部分が記載されている。そういう意味では『盛っている』と認識している」と説明。斎藤氏も女性社長が投稿したブログ内容について「事前に見ても、聞いてもいない」「若干の戸惑いはある」と語っている。投稿内容の確認連絡もなかったという。 そうすると、選挙カーの上に乗ってSNS配信する「特別扱い」はしていたが、斎藤氏は勝手に「盛られた」ということになる。女性社長は「ボランティア」として必死に配信していたものの、「おまえ、なに適当なこと言ってんの?」といわれているわけだ。
再び「オールドメディア」からの追及をかわせるのか
もちろん、知事選で再選した斎藤氏のキャラクターや政策、思想信条などを評価して熱烈に応援する人は少なくなかっただろう。他の選挙においても仕事を忘れて熱烈に応援する人も多い。ただ、この女性社長が経営する会社は「PRのプロ」だ。選挙戦においてSNS戦略などのPRを会社のビジネスとしてではなく、個人の立場で同じことをしていたのであればナゾでしかない。 知事選で返り咲きを果たした斎藤氏は、再び「オールドメディア」からの追及をかわしていくことはできるのか、それともピンチに陥るのか。次々とマイナスイメージにつながる話題を招いていく斎藤氏の言動こそが最大のナゾである。
佐藤健太