斎藤知事「大暴露」PR会社を巡る3つの意味不明…認識の齟齬はなぜか?SNS主体性で食い違い「足を引っ張りやがって」「県民舐めてる」の声も
社長個人によるボランティアだったというのはナゾではないか
内訳は「メインビジュアル企画・制作」10万円、「チラシデザイン制作」15万円、「ポスター・デザイン制作」5万円、「公約スライド制作」30万円、「選挙公報デザイン制作」5万円といったもので、契約書はなく「口頭契約」だったとしている。ポスター制作費などの70万円超は妥当としても、昔ならばともかく、今の時代に契約書も交わすことなく“渦中の人物”とビジネスすることは理解に苦しむ。しかも、SNSを活用した戦略的広報を会社の事業としながら、選挙戦では社長個人によるボランティアだったというのはナゾすぎる。 9月末にPR会社の事務所を訪問した際、SNS運用などの話もあったというのであれば、翌日以降に届いた「プランと見積書」にはSNS戦略に関する費用がいくらなのか盛り込まれていたのではないか。現時点でその内容と費用は不明だが、斎藤氏サイドの説明通りとすれば、PR会社が担う場合は費用が発生するものの、社長個人がやればボランティアということになる。短期間で信頼関係を築き、「ポスター制作」などの70万円超だけで社長の支援を受けることに成功した斎藤氏は、よほどのやり手なのだろう。 ただ、仮にそうだったとしてもナゾは残る。このPR会社は、広島や高知などでSNSを活用したプロモーションや運用支援などを担っている「PRのプロ」だ。ポスターの制作に特化した会社ではなく、SNS運用業務で実績がある。この女性社長はブログに「広報全般を任された」「仕事」などと記しており、仮にビジネスとしてSNS戦略全般を請け負うことになれば最低でも数百万円は必要だったのではないか。
なぜ選挙カーの上に乗り、SNS配信をしていたのか
斎藤知事の説明通り社長個人のボランティアだったとすると、2つ目のナゾが浮かぶ。それは女性社長をなぜ「特別扱い」していたのかという点だ。斎藤氏は2021年の知事選で初当選し、女性社長はその後に県の地方創生戦略委員などを務めている。会議などで会う顔見知りだったのかもしれないが、この女性社長は選挙戦で自ら選挙カーの上に乗り、SNS配信をしていたことが話題になっている。 ポスター制作費などに70万円超を支払い、あとは「ボランティア」でやってもらっていたとしても、ボランティアの1人にすぎない女性社長だけがなぜ選挙カーの上に乗ることを許されていたのか。