キャバクラやブランド品購入の支払いに 親子で共謀…“26億円不正支出”元社員が長男に送金 業務上横領疑いで63歳男と35歳男を逮捕
巨額横領事件です。長野県駒ヶ根市の総合建設業ヤマウラの子会社で発覚した総額26億円余りの不正支出。長野県警は14日、業務上横領の疑いで元社員の男と男の長男を逮捕しました。親子が共謀して犯行に及んだとみています。
■3億6000万円を横領した疑い
(記者リポート) 「容疑者が出てきました。顔はうつ向いたまま捜査員に連れられていきます」 高級ブランドのアウターを身に着け、うつむいて自宅のマンションから連行される男。長野市中御所の会社役員・村田俊樹容疑者(35)です。 父親でヤマウラの元社員、村田浩幸容疑者(63)も逮捕されました。 調べによりますと2人は共謀の上、2023年2月、浩幸容疑者が経理を担当する東京のヤマウラの子会社、「ヤマウラ企画開発」から預金3億6000万円を引き出し、俊樹容疑者が代表を務める会社の口座に送金し横領した疑いです。 警察は2人の認否について明らかにしていません。
■約10年間で26億3800万円余り
不正な支出は2023年5月に発覚。ヤマウラの社内の調査チームや第三者委員会が調べたところ、2013年から2023年までに浩幸容疑者が総額26億3800万円余りを引き出していたことが分かりました。 送金先は俊樹容疑者の会社や個人口座、また、取引のない2つの会社だったということです。 ヤマウラは6月に被害届を出し、浩幸容疑者を懲戒解雇していました。
■キャバクラ、ブランド品購入
調べによりますと、不正に送金された金の一部は俊樹容疑者のクレジットカードの支払いなどにも使われていたということです。 キャバクラなど飲食店での支払い、ブランド品の購入などが履歴に残っていたということです。
(記者リポート) 「捜査員が押収品とみられる物を持って建物から出てきました」 県警は午後、長野市内の俊樹容疑者の自宅などを家宅捜索しました。全容の解明を進めています。
逮捕を受けヤマウラは「ようやく逮捕となり一つの区切りとなった。警察の捜査に協力していく。二度とこのようなことが起こらないようガバナンス、コンプライアンスに十分気を付けていきたい」とコメントしています。