少子化対策 「1人500円」でも“実質負担なし”本当?……首相「増税ではありません」 賃上げが頼みの綱【#みんなのギモン】
■実際に負担する平均額の試算は?
加納委員 「続いて、500円以上のケースもあるのかについて考えます。実際にどれだけ負担することになるのか。日本総研の西沢和彦理事が、医療保険の加入者1人あたりが負担する平均額を試算しました」 「西沢さんによると、中小企業の会社員が入る協会けんぽ(全国健康保険協会)では月638円。大企業の会社員が入る健康保険組合で月851円、公務員の共済組合は月898円、国民健康保険は月746円です」 「協会けんぽ、健康保険組合、共済組合については勤務先と折半になるので、個人の負担は半額となります。また、所得が高い人ほど負担額がさらに増えることになります。会社員など現役世代の負担が大きい一方で、高齢者の負担は少なくなる見通しです」 刈川くるみキャスター 「納得できないまま支払うとしたら、たとえ500円だったとしても半額になったとしても、高いなと思ってしまいます。なぜ医療保険で上乗せという形になったのでしょうか?」 加納委員 「医療保険なら、75歳以上の後期高齢者を含めて広い世代からお金を集めることができるからです。有効な少子化対策で若い世代が増えれば、労働力を確保できるなど日本の経済全体にとっても重要な意味があります」
■物価高に追いつかず…賃上げできる?
河出アナウンサー 「そのためにも、私も含めて若い世代が安心して子育てができるなという実感が欲しいんですよね。賃上げをして実質負担がないと(岸田首相は)言っていますが、実質賃金が下がっていることもあって、本当にそこを頼みの綱にして大丈夫?というのはありますね」 加納委員 「そうですよね。問題は本当に賃上げできるの?負担ないの?というところですよね。政府は今年、物価上昇を上回る賃上げを実現させると繰り返し強調していますが、そのメドは見えていません」 「実際、今は物価高に賃上げが追いつかない状態が続いています。仮に大企業は賃上げできたとしても、中小企業などは賃上げが実現できるか不透明ですし、決して約束できるものではないですよね」