『ダークナイト』ヒース・レジャー起用の経験が助けに…ノーラン兄弟がドラマ「フォールアウト」を語る
ショーランナーを、ジェニーヴァ・ロバートソン=ドウォレット(『キャプテン・マーベル』)とグレアム・ワグナー(「ジ・オフィス」、「ポートランディア」)という、全く違うバックグラウンドを持つ2人に任せて脚本を依頼し、ジョナサンは製作総指揮と最初の3エピソードで監督を担当。もっとも大変だったのは、今シリーズならではの稀有なトーンを見つけることだったという。 クリストファーは、「君(ジョナサン)が最初の2つのエピソードの脚本を見せてくれた時、良い意味で、親しみを感じるトーンだと思った。でも、まるであの作品みたいだ……というものは思いつかなかった。一番近いのはテリー・ギリアムの『未来世紀ブラジル』だと思ったけど、あれは戦後のとてもイギリス的な作品だ。『フォールアウト』には非常に独特なトーンがあると思う」と語った。
続けてクリストファーは「僕たち兄弟が、ある作品に惹かれる理由のひとつは、さまざまな技術や撮影方法を使って、世界を作り上げる機会を持てることだと思う。このシリーズには、全体を通して、自由に使える膨大なツールがある。監督として、世界(観作り)にどのようにアプローチしたの?」とジョナサンに質問。ジョナサンは「その答えは、あなたからたくさん盗むことだった」と会場の笑いを誘った。
「そして、たくさんの新しいことを学ぶこともね。実践的なロケ撮影に重点を置いたんだ。ビデオゲームでは、(プレイヤーは)文字通り悪者にも善者にも、その中間にもなれるし、70~80種類のストーリーを追求できる。映画とはまったく違う。そこで僕たちが持ち込んだのはリアリティーなんだ。素晴らしいロケ地を探しに行こう、クリーチャーを作ろう、ということだった。それは期待通りの楽しさだったよ」と、ジョナサンは可能な限りCGに頼らないクリストファー流の撮影に挑んだことを明かした。
パワーアーマーのショットも「99%」は、スタントマンが実際に着用して撮影したもので、ジェットパックも本物だったという。「リドリー・スコットが『エイリアン』のゼノモーフのスーツを、才能あるスタントマンに合わせてデザインしたことを参考にしたんだ」。